【AI変革事例_官公庁・団体業界】 異業種10社が参加した実践型DX人材育成プログラムの企画・運営

宮城県と連携し、地域企業のDXを推進する中核人材の育成を支援したAI人材育成事例です。
eラーニングから集合研修、個別相談、成果発表会までを一気通貫で提供し、生成AIを活用したDX企画の立案・実装を支援。
異業種10社が自社課題に基づくDX推進プランを策定し、自走できるDX人材の育成と地域全体のデジタル変革を後押ししました。
【関連プレスリリース】AVILEN、宮城県内企業のDX推進を支援~宮城県のデジタル人材育成プログラムへの参画を通じて、企業の持続可能なデジタル事業を推進~

監修者

株式会社AVILEN
執行役員 CRO / コンサルタント
東京大学大学院修了。BCGプロジェクトリーダー、ITベンチャー執行役員を経てAVILENに入社。 BCGでは製造業・通信・金融・小売・製薬等の業界でトランスフォーメーション、ターンアラウンド等々のテーマで戦略策定から実行支援に従事。ITベンチャーでは基幹事業の責任者として5部署を統括し、事業グロースに従事。 AVILEN入社後はビルドアップ事業の責任者や自らも担当をもちながら大企業向けアカウントをリード。
課題
宮城県では、人口減少・高齢化という構造的な課題を背景に、地域企業のDXを加速させる必要性が高まっています。
しかし、県内の中小企業においては、デジタル技術の導入検討は進むものの、経営戦略とデジタル化を結びつけ、社内を牽引できる「DX中核人材」の不足が深刻な課題となっていました。
IT専任人材の不在や経営層のデジタルリテラシー不足、本業に忙殺されて変革に充てる余力がないという「三重苦」が、地域全体のDX推進を阻んでいたのです。
そこでAVILENは、宮城県が推進する「令和7年度産業デジタル中核人材育成業務」に参画。山口県・神戸市などで高い評価を得た実績をベースに、生成AIを活用したDXプラン策定手法を軸とした人材育成プログラムの企画・運営を一貫して支援しました。
【関連プレスリリース】AVILEN、神戸市とAI活用による生産性向上に向けた連携協定を締結~自治体業務の高度化と市内中小企業の省力化・省人化を、生成AI活用で推進~
ソリューション
本プログラムでは、経営層・中核人材が「テクノロジーへの理解」「ビジネス戦略の理解」「コミュニケーション能力」など、DXを実現するための6つの要素を習得できるよう、以下のステップを一気通貫で提供しました。
- 事前学習(eラーニング)
ChatGPT活用講座・DXリテラシー講座・データ活用研修の3講座を提供。研修前後のアセスメントでスキルの伸びを数値で可視化しました - 集合研修(全4回・対面×オンライン併用)
生成AIを活用したDX推進計画の立案手法を、DX概論から課題整理・企画書作成まで4段階で体系的に学習。毎回グループワークを組み込み、異業種間の交流も促しました - 個別相談会(月1回・最大7回)
各社の事業内容・課題・DX期待値をAVILEN講師陣がヒアリングし、発表会に向けた企画案を個別にブラッシュアップしました - 成果発表会・講演会
参加企業がDX企画を発表し、AICX協会代表理事の小澤健祐氏とAVILEN代表取締役の高橋光太郎が講評と特別講演を実施。発表会の様子はZoomで外部公開も行いました - ネットワーク形成支援
集合研修内の自己紹介セッションや懇親会を通じ、企業の垣根を越えた受講生コミュニティを醸成しました

成果
プログラムを通じ、参加した受講者の満足度・スキル成長・成果物の質のいずれにおいても、高い結果が得られました。
- 全5回の研修を通じてNPSが高水準を維持
各回のNPS(Net Promoter Score:推奨意向を示す指標、-100〜+100が範囲で0以上が良好とされる)は初回から高水準で推移し、最終の成果発表会では参加者全員が最高評価を選択。プログラム全体を通して満足度が右肩上がりで推移しました - DXリテラシーが数値として向上
事前・事後アセスメントでは多くの受講者がスコアアップを記録。B評価(65.8点)からA評価(87.1点)、A評価(84.2点)からS評価(100点満点)など、着実な成長が数字で確認できました - 参加企業がDX企画を完遂・発表
製造業の「材料開発技術伝承AIシステム」、インフラ企業の「ハウスクリーニング注文数増加施策」、食品メーカーの「未来管理表」など、それぞれの企業が自社課題を起点とした実行可能なDX推進プランを策定・発表しました - 研修終了後の実装着手
一部企業ではプログラム終了時点で次年度施策の実行が確定し、予算も確保済みの状態となりました。「研修で終わらせない」という設計が、組織への実装につながった形です - 業種を超えたDXコミュニティが誕生
製造・インフラ・建設・食品・士業など多様な業種の受講者が交流を深め、発表会後は夜遅くまで各社のAI活用方法や地域の未来について語り合う場が自然に生まれました
まとめ・考察
本事例の特筆すべき点は、eラーニングから個別相談・発表会までを一気通貫で設計し、「知識のインプット」ではなく「自社に適用できる企画の完成」をゴールに置いた点にあります。
NPSが最終回に向けて上昇し続けたことは、単なる研修満足度ではなく、受講者一人ひとりが「自分ごと」としてDXに取り組めた証と言えます。
この取り組みは、AX(AI変革)の本質を体現しています。参加者が生成AIを活用して自ら企画を立案し、一部はすでに社内実装に向けて動き出しています。
これは「ツールの習得」にとどまらず、組織の意思決定や業務設計のあり方そのものが変わり始めた構造的な変化です。異業種が混在する場で互いの企画を磨き合ったことで、個社の変革が地域全体のAXへと波及するきっかけも生まれました。
今後は、本プログラムを卒業した中核人材が地域のDX推進のロールモデルとなり、AIファーストな思考を持つ人材のネットワークが広がることで、地域全体の持続可能なデジタル変革が加速していくことが期待されます。
AVILENが考えるAI変革とは
AVILENでは、AI変革を単発のAI導入や受託開発の積み上げではなく、企業の業務・意思決定・組織を段階的に変えていくプロセスと捉えています。
そのため、AI活用はいきなり大規模に進めるのではなく、段階を踏んで進めることが重要だと考えています。
AI導入は「5つのステップ」で進める
AVILENでは、AI変革を以下の5ステップで整理しています。
- リテラシーをつける
データ・AIの基本理解を揃え、技術の可能性と限界を正しく認識する - ビジョンを描く
AIを使って、どこで競争優位を作るのかを明確にする - Quick Winを実現する
短期間で成果が見えるテーマに絞り、成功体験をつくる - 体制を構築する
人材・組織・データ・システムを含めた推進体制を整える - 活用範囲を拡大する
PDCAを回しながら、AI活用を組織全体へ広げていく
AI変革を支える3つの考え方
この5ステップを進めるうえで、AVILENが大切にしている考え方は次の3点です。
- コア部分から小さく始め、大きく広げる
- 試しながら学ぶ、アジャイルなPDCA
- 外部に頼りきらず、徐々に内製化していく

本事例の位置づけ
本記事で紹介する取り組みは、こうしたAI変革のプロセスの中で設計された一つの実践例です。
AVILENは、「AIを作る会社」ではなく、AIを使って企業の変革を前に進めるパートナーでありたいと考えています。
記事の筆者

株式会社AVILEN
マーケティングチームリーダー/シニアマーケター / マーケター
立命館大学文学部を卒業後、大手地方新聞社、ビジネス系出版社での編集、広告営業職を経てブレインパッドにマーケターとして参画。2020年にDX、データ活用をテーマにしたオウンドメディア『DOORS -BrainPad DX Media-』を編集長/PMとして立ち上げ、グロース。ブランディングとプロモーションを両立したコンテンツマーケティングで成果を上げ、2022年にグループマネジャーに昇進。2025年7月よりAVILENに参画。





