【AI変革事例_小売・流通/金融業界】総合職3年目社員を対象にデータ分析研修を実施し、全社的なデータリテラシー強化を推進

日本郵政グループが、総合職3年目社員を対象にデータ分析研修を実施し、全社的なデータリテラシー強化を推進した事例です。
事前・事後アセスメントや実践型ワーク演習を組み合わせることで、単なる知識習得ではなく、現場で活用できるデータ分析スキルを育成。
平均スコア15ポイント向上を実現し、勘や経験に依存しないデータドリブンな意思決定文化の定着につなげました。
※本記事は、プレスリリース(『AVILEN、日本郵政株式会社にデータ分析研修を提供~総合職3年目社員を対象に必須研修化し、全社的なデータリテラシー強化を推進~』)をもとに作成しています。

監修者

株式会社AVILEN
専門役員 ビルドアップチームマネージャー / コンサルタント
外資系コンサルティング企業にて、人事組織開発事業部に所属し、大手企業を中心に改革を支援。大学及び大学院でのAI・機械学習を研究した背景も合わせ、DX推進室の立ち上げからAI人材育成まで幅広く経験。 AVILENにて、AI開発におけるチームのマネジメントに従事したのち、現在は企業の人材組織開発を推進するビルドアップチームのマネジメントを担う。
課題
DX推進を加速させるためには、幅広い社員がデータ分析の基礎を習得し、社内共通言語としてデータリテラシーを定着させる必要がありました。
特に、将来の組織を担う若手社員層のスキル底上げが急務となっており、実務に即した客観的な現状把握と、データに基づいた意思決定を支える仕組みづくりが求められていました。
そこで、総合職3年目社員を対象とした「データ分析研修」が導入されました。本プログラムでは、研修を単なる一過性の座学に終わらせず、事前・事後のスキル測定や実践的なワーク演習を組み合わせることで、組織全体のリテラシー強化につなげる人材育成プロセスを総括的に構築しました。
ソリューション
本研修では、知識の定着から実務への応用までをシームレスにつなげるため、以下のステップで施策を展開しました。
- 事前アセスメントによるスキル測定
受講前の現状スキルを可視化し、個々の課題を明確化。 - eラーニングによる基礎知識習得
体系化された講義を通じ、データ分析に必要な基本概念を効率的に学習。 - 対面でのデータ分析実践ワーク演習
ケース演習を通じた実践的なアウトプットを行い、現場で使えるスキルへ昇華。 - 事後アセスメントとアンケートによる効果測定
学習効果を数値で把握し、継続的な改善サイクルを確立。
これらのカリキュラムは、IPAの「DXスキル標準」に準拠した専門的な内容でありながら、現場のニーズに合わせて最適化されています。
スキル診断から演習までを一貫して行うことで、受講者が迷うことなく高度なデータ活用手法を習得できる環境を整えました。
成果
研修の実施により、受講者のデータリテラシーは大幅に向上し、組織全体におけるデータ活用の土台が強固なものとなりました。
具体的には、事前・事後アセスメントの比較で平均スコアが15ポイント向上するという明確な成果が得られました。
特に、事前アセスメントで得点が低かった層のうち90%以上がスコアを改善し、その多くが中~高得点層へと移行したことから、リテラシーの底上げに大きく寄与したことが確認されています。
これにより、若手社員が共通のデータスキルを持つことで、勘や経験だけでなく、客観的な根拠に基づく意思決定が可能な組織体制へと進化しました。
まとめ・考察
この事例の独自性は、大規模組織において総合職の若手社員全員を対象に「必須研修」としてデータ分析教育を組み込んだ点にあります。
スキル診断、eラーニング、そして対面演習を組み合わせた体系的な学習プロセスを提供することで、個人の学習意欲に依存せず、組織全体の標準的なリテラシー水準を確実に引き上げた点は、非常に優れた特徴です。
本事例が「AI変革(AX)」と言える理由は、一部の専門家だけがデータを扱う状態から、次代を担う層が共通言語としてデータを扱える状態へと、構造的な変化をもたらしたことにあります。
データドリブンな思考が若手層から全社へ浸透することで、従来の慣習に捉われない客観的な判断軸が組織の文化として根付き始めています。
今後は、本研修で培われた人材基盤を礎に、より高度なAI活用を見据えた「AIファースト」な組織づくりへの貢献が期待されます。
リテラシー向上から専門人材育成までの流れを加速させることで、AXをさらに進展させ、データ技術を駆使した企業変革の実現に繋がっていくと考えられます。
AVILENが考えるAI変革とは
AVILENでは、AI変革を単発のAI導入や受託開発の積み上げではなく、企業の業務・意思決定・組織を段階的に変えていくプロセスと捉えています。
そのため、AI活用はいきなり大規模に進めるのではなく、段階を踏んで進めることが重要だと考えています。
AI導入は「5つのステップ」で進める
AVILENでは、AI変革を以下の5ステップで整理しています。
- リテラシーをつける
データ・AIの基本理解を揃え、技術の可能性と限界を正しく認識する - ビジョンを描く
AIを使って、どこで競争優位を作るのかを明確にする - Quick Winを実現する
短期間で成果が見えるテーマに絞り、成功体験をつくる - 体制を構築する
人材・組織・データ・システムを含めた推進体制を整える - 活用範囲を拡大する
PDCAを回しながら、AI活用を組織全体へ広げていく
AI変革を支える3つの考え方
この5ステップを進めるうえで、AVILENが大切にしている考え方は次の3点です。
- コア部分から小さく始め、大きく広げる
- 試しながら学ぶ、アジャイルなPDCA
- 外部に頼りきらず、徐々に内製化していく

本事例の位置づけ
本記事で紹介する取り組みは、こうしたAI変革のプロセスの中で設計された一つの実践例です。
AVILENは、「AIを作る会社」ではなく、AIを使って企業の変革を前に進めるパートナーでありたいと考えています。
記事の筆者

株式会社AVILEN
マーケティングチームリーダー/シニアマーケター / マーケター
立命館大学文学部を卒業後、大手地方新聞社、ビジネス系出版社での編集、広告営業職を経てブレインパッドにマーケターとして参画。2020年にDX、データ活用をテーマにしたオウンドメディア『DOORS -BrainPad DX Media-』を編集長/PMとして立ち上げ、グロース。ブランディングとプロモーションを両立したコンテンツマーケティングで成果を上げ、2022年にグループマネジャーに昇進。2025年7月よりAVILENに参画。



