t分布とは
確率変数Zが標準正規分布N(0,1)、確率変数Wが自由度nのカイ二乗分布に従うとき、
t=nWZ
と表されるtが従う分布を、t分布といいます。
t分布の公式
確率密度関数 | f(x)=νπΓ(2ν)Γ(2ν+1)(1+νx2)−(2ν+1) |
期待値 | E(X)=0 |
分散 | V(X)={∞γ−2γ(1<γ≤2)(γ>2) |
t分布表
t分布の〇〇以上の値をとる確率を一覧にしたものがt分布表といいます。この表はt検定などで頻繁に使うので、見方を覚えておきましょう。
詳細は「片側t分布表と見方」をご確認ください。
t分布の性質
t分布は自由度が大きくなるにつれ、標準正規分布の形に近づいていきます。
以下は、自由度1、自由度3、自由度15、自由度100のt分布の確率密度関数を比較したものです。
自由度が大きくなるにつれて、標準正規分布のグラフに近づいていくことが分かります。
カイ二乗分布・正規分布との関係
t分布はカイ二乗分布や正規分布と深い関係性があります。
正規分布N(μ,σ2)に従う大きさnの無作為標本X1,X2,...,Xnを考えたときに、
W=∑i=1nσ2(Xi−Xˉ)2
は自由度n-1のカイ二乗分布に従います。
これを、t=nWZの分母に代入すると、自由度n-1のt分布の式が完成し以下となります。
t=n−1i=1∑nσ2(Xi−Xˉ)2Z=n−1i=1∑n(Xi−Xˉ)2n(Xˉ−μ)=Sn(Xˉ−μ)
S2は不偏分散n−11i=1∑n(xi−x)2
これは、正規分布に従うと仮定した標本について、分散を不偏分散によって標準化すると、自由度n-1のt分布に従うということを表しています。
正規分布に従うと仮定した仮説検定は、母分散が未知の場合、t分布に標準化して行うので、t検定と言います。
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