公式の確認
まずは、公式の確認をしましょう。
積率母関数 | eμt+2σ2t2 |
期待値 | E(X)=μ |
分散 | V(X)=σ2 |
標準偏差 | SD(X)=σ |
正規分布の積率母関数の導出
mX(t)=E(etX)=∫−∞∞etxf(x)dx=∫−∞∞2πσ21exp[−2σ2(x−μ)2+tx]dx=∫−∞∞2πσ21exp[−2σ21(x2−2μx+μ2−2σ2tx)]dx=∫−∞∞2πσ21exp[−2σ21((x−(μ+σ2t))2+2μσ2t+σ4t2)]dx=∫−∞∞2πσ21exp[−2σ2(x−(μ+σ2t))2+μt+2σ2t2]dx=eμt+2σ2t2∫−∞∞2πσ21exp[−2σ2(x−(μ+σ2t))2]dx=eμt+2σ2t2
Info
“
2πσ21exp[−2σ2(x−(μ+σ2t))2]
のμ+σ2tをμ′とおくと、
2πσ21exp[−2σ2(x−μ′)2]
となる。
これは平均がμ′、分散がσ2の正規分布の確率密度関数である。よって、
∫−∞∞2πσ21exp[−2σ2(x−(μ+σ2t))2]dx=1
となる。これは、確率密度関数を確率変数がとりうる値において全て足しあわせた値であるためである。
(ある事象における全ての確率を足すと1になることと同義)
”
積率母関数を用いた期待値(平均)の導出
E(X)=dtdmX(t)t=0=(t(b−a))2(etb−eta)′t(b−a)−(etb−eta)(t(b−a))′t=0=(t(b−a))2(aetb−beta)t(b−a)−(etb−eta)(b−a)t=0
積率母関数を用いた分散の導出
E(X2)V(X)=dt2d2mx(t)t=0=(μ+σ2t)′eμt+2σ2t2+(μ+σ2t)2eμt+2σ2t2t=0=σ2+(μ+σ2t)2t=0=σ2+μ2=E(X2)−(E(X))2=σ2+μ2−μ2=σ2
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