公式の確認
まずは、公式を確認しましょう。
積率母関数 | t(b−a)etb−eta |
期待値 | E(X)=21(a+b) |
分散 | V(X)=121(b−a)2 |
連続一様分布の積率母関数の導出
mX(t)=E(etX)=∫−∞∞etxf(x)dx=∫−∞aetxf(x)dx+∫abetxf(x)dx+∫b∞etxf(x)dx=0+∫abetxb−a1dx+0=b−a1[tetx]ab=t(b−a)etb−eta
積率母関数を用いた期待値の導出
E(X)=dtdmX(t)t=0=(t(b−a))2(etb−eta)′t(b−a)−(etb−eta)(t(b−a))′t=0=(t(b−a))2(aetb−beta)t(b−a)−(etb−eta)(b−a)t=0
上式にt=0を代入すると、分母が0になる。そのため、上式が定義できない。そこでロピタルの定理を用いる。
ロピタルの定理
x→alimg(x)f(x)=x→alimg(x)′f(x)′
これを前述の式に適応させると、
dtdmX(t)t=0=(t(b−a))2(aetb−beta)t(b−a)−(etb−eta)(b−a)t=0=t→0lim(t(b−a))2(aetb−beta)t(b−a)−(etb−eta)(b−a)=t→0limg(t)f(t)(=t→0limg(t)′f(t)′=t→0limg(t)′′f(t)′′)
これより、t→0limg(t)′′f(t)′′を求めることにより、平均を導出できる。以下でその過程について記述する。
f(t)=(betb−aeta)t(b−a)−(etb−eta)(b−a)f′(t)=(betb−aeta)(b−a)+(b2etb−a2eta)t(b−a)−(betb−aeta)(b−a)=(b2etb−a2eta)t(b−a)f′′(t)=(b2etb−a2eta)(b−a)−(b3etb+a3eta)t(b−a) g(t)=(t(b−a))2g′(t)=2t(b−a)2g′′(t)=2(b−a)2
t→0limg(t)′′f(t)′′=t→0lim2(b−a)2(b2etb−a2eta)(b−a)−(b3etb+a3eta)t(b−a)=2(b−a)b2−a2=2a+b(=dtdmX(t)t=0=E(X))
積率母関数を用いた分散の導出
E(X2)=dt2d2mX(t)t=0=((t(b−a))2(aetb−beta)t(b−a)−(etb−eta)(b−a))′t=0
※これを前述のロピタルの定理を用いて導くことができるが、煩雑であるため省略する。連続一様分布の分散は、通常、確率密度関数から求める手法が採用される。
その値は、
V(X)=121(b−a)2
となる。
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