【AI変革事例_製造業界】顕微鏡画像からミクロ繊維(アスベスト)を正確に特定

建材分析におけるミクロ繊維(アスベスト)の自動検出において、画像解析の誤検知とAI開発ノウハウの不足を解消したAI開発事例です。
セマンティックセグメンテーションを用いた高度なモデル開発と、伴走型のOJTサポートを並行して実施しました 。
わずか3ヶ月で実用レベルのAIモデルを完成させるとともに、社内メンバーが自走できる体制を確立し、将来的なAI開発内製化に向けた強固な基盤を構築しました 。
監修者

株式会社AVILEN
執行役員 CTO 兼 D&Aソリューション事業担当 / データサイエンティスト
広島大学大学院卒業。コンピュータビジョン、機械学習、ディープラーニング領域を専門とするデータサイエンティスト。複数の国際学会へ査読付き論文の採択実績を持つ。2021年、AVILENに参画。AIソリューション事業の最年少マネージャーとしてIPOをはじめとする事業拡大、SaaS事業の立ち上げからグロースを牽引。データ・AI・デジタルを軸としたビジネスモデルの再構築とビジネスプロセスの根本的な変革を、広範な業界の企業に対して支援を行う。
課題
大手精密機器メーカーでは、建築・解体事業者向けのミクロ繊維自動検出システムを開発していました。
具体的には、建物を取り壊す際の空気中にアスベストなどの有害なミクロ繊維が含まれていないかを確認する顕微鏡ソリューションですが、従来の画像処理技術では誤検知が多く、実用に耐えない状況にありました。
また、同社はハードウェアとしての顕微鏡開発には高い技術力を持つ一方で、ソフトウェアやAI開発の知見が少なく、将来的な内製化を目指しているものの、社内にプロジェクト経験者がおらず開発ノウハウの不足が大きな課題となっていました。
ソリューション
実用レベルのAIモデル開発と並行し、クライアントのエンジニアが自走できるための実践的なOJTサポートを提供しました。
- セマンティックセグメンテーションによるモデル開発
- 顕微鏡画像からミクロ繊維を正確に特定するため、高度な画像解析手法を採用。
- 顕微鏡画像からミクロ繊維を正確に特定するため、高度な画像解析手法を採用。
- 伴走型のOJTサポート
- 週1回の定例コンサルティングやSlackでの随時Q&A対応を実施。
- サンプルコードの提供、コードレビュー、開発アシスト、PM代行まで幅広く支援しました。
- 実践を通じたノウハウ移転
- アノテーションからモデル構築、評価・改善という一連のプロセスを、先方のエンジニアと共に進めることで、AIソリューション開発の「やり方」を直接伝授しました。
成果
わずか3ヶ月という短期間で、技術的なブレイクスルーと組織的な成長の両面で大きな成果が得られました。
- 実用レベルのAIモデル完成
- 目標としていた検出率と誤検知率を達成し、3ヶ月のPoCで実際のプロダクトに搭載可能なレベルの自動検出AIを開発しました。
- 目標としていた検出率と誤検知率を達成し、3ヶ月のPoCで実際のプロダクトに搭載可能なレベルの自動検出AIを開発しました。
- AI人材の育成と自走体制の確立
- AVILENが提供する体系的な育成プログラムと、プロジェクトを通じた実践的なOJTを組み合わせた指導により、プロジェクトメンバーはAI開発プロセスを深く理解し、自走できるレベルまで成長しました。
これにより、今後のAI内製化に向けた強固な基盤が構築されました。
- AVILENが提供する体系的な育成プログラムと、プロジェクトを通じた実践的なOJTを組み合わせた指導により、プロジェクトメンバーはAI開発プロセスを深く理解し、自走できるレベルまで成長しました。
「顕微鏡で見る」というハードの価値に、「AIで自動検知する」というソフトの価値が加わったことで、顧客へ提供できるソリューションの質が抜本的に向上しています。
まとめ・考察
本事例の特徴は、単なるAIモデルの受託開発に留まらず、クライアント企業の「開発文化」そのものをアップデートした点にあります。
ハードウェアに強みを持つメーカーが、AIという新たな武器を内製化するためのステップとして、実案件を通じたOJTを選択したことが成功の鍵となりました。
今後は、今回培った画像解析ノウハウを、アスベスト検出以外のミクロ検査領域へも横展開していくことが期待されます。
自社内にAI開発のサイクルが定着したことで、市場のニーズに合わせた迅速なソフトウェアの改善や新機能の追加が可能になり、精密機器メーカーとしての競争力はさらに強固なものへとなっていくでしょう。
AVILENが考えるAI変革とは
AVILENでは、AI変革を単発のAI導入や受託開発の積み上げではなく、企業の業務・意思決定・組織を段階的に変えていくプロセスと捉えています。
そのため、AI活用はいきなり大規模に進めるのではなく、段階を踏んで進めることが重要だと考えています。
AI導入は「5つのステップ」で進める
AVILENでは、AI変革を以下の5ステップで整理しています。
- リテラシーをつける
データ・AIの基本理解を揃え、技術の可能性と限界を正しく認識する - ビジョンを描く
AIを使って、どこで競争優位を作るのかを明確にする - Quick Winを実現する
短期間で成果が見えるテーマに絞り、成功体験をつくる - 体制を構築する
人材・組織・データ・システムを含めた推進体制を整える - 活用範囲を拡大する
PDCAを回しながら、AI活用を組織全体へ広げていく
AI変革を支える3つの考え方
この5ステップを進めるうえで、AVILENが大切にしている考え方は次の3点です。
- コア部分から小さく始め、大きく広げる
- 試しながら学ぶ、アジャイルなPDCA
- 外部に頼りきらず、徐々に内製化していく

本事例の位置づけ
本記事で紹介する取り組みは、こうしたAI変革のプロセスの中で設計された一つの実践例です。
AVILENは、「AIを作る会社」ではなく、AIを使って企業の変革を前に進めるパートナーでありたいと考えています。
記事の筆者

株式会社AVILEN
マーケティングチームリーダー / マーケター
立命館大学文学部を卒業後、大手地方新聞社、ビジネス系出版社での編集、広告営業職を経てブレインパッドにマーケターとして参画。2020年にDX、データ活用をテーマにしたオウンドメディア『DOORS -BrainPad DX Media-』を編集長/PMとして立ち上げ、グロース。ブランディングとプロモーションを両立したコンテンツマーケティングで成果を上げ、2022年にグループマネジャーに昇進。2025年7月よりAVILENに参画。




