【AI変革事例_IT業界】製造業特化型の技術調査から要件定義まで、生成AIによるコンサルティング業務の完全自動化

製造業向けの技術調査から要件定義までを、生成AIで自動化したAI活用事例です。
複数のAIエージェントが情報収集から提案、パートナーへの打診文作成までを一貫して実行し、従来はコンサルタントの経験に依存していた業務を再現。
作業時間を数日から5分へ短縮し、対応可能な案件数を大幅に拡大することで、コンサルティング業務のスケール化を実現しました。
監修者

株式会社AVILEN
執行役員 CTO 兼 D&Aソリューション事業担当 / データサイエンティスト
広島大学大学院卒業。コンピュータビジョン、機械学習、ディープラーニング領域を専門とするデータサイエンティスト。複数の国際学会へ査読付き論文の採択実績を持つ。2021年、AVILENに参画。AIソリューション事業の最年少マネージャーとしてIPOをはじめとする事業拡大、SaaS事業の立ち上げからグロースを牽引。データ・AI・デジタルを軸としたビジネスモデルの再構築とビジネスプロセスの根本的な変革を、広範な業界の企業に対して支援を行う。
課題
製造業界に特化したコンサルティングサービスを展開する現場では、クライアントから寄せられる高度で多岐にわたる技術課題への対応が、個々のコンサルタントの能力に強く依存していました。
特に研究開発領域においては、「極めて硬度の高い素材に精密な穴加工を施したい」「高級感を維持しつつ通気性に優れた自動車用シート素材を探している」といった、専門性の高い相談が数多く寄せられます。
こうした依頼に対し、最適な解決方法を調査し、具体的な要件定義書に落とし込む作業には膨大な工数が必要でした。
個人のスキルに頼る運用では品質にばらつきが生じるだけでなく、物理的な作業時間の限界から、事業を拡大するためのスケーリングが極めて困難な状況にありました。
ソリューション
AVILENは、これまで専門家が仲介していた一連の思考・調査プロセスを、生成AIによって完全自動化するWebアプリケーションを開発しました。
- 多機能エージェントによる情報収集の自動化
社内の過去データを探る「データベース検索エージェント」と、世の中の最新技術を追う「ネット検索エージェント」を連携させました。
これにより、最新の素材情報やパートナー企業の候補を瞬時に特定できます。 - 高度な提案ボットと要件定義ボットの構築
入力された技術課題から、解決に必要な技術要素を抽出。例えば「高級感と通気性の両立」という課題に対し、推奨される素材、それを保有する企業の強み、さらにはその企業への初手となる依頼文の作成までをAIが肩代わりします。
成果
本システムの導入は、属人的だったコンサルティング業務を「データドリブン型」へと劇的に変化させ、以下の圧倒的な成果をもたらしました。
- 対応可能な案件数が数十倍に増加
人手に依存していた提案・要件定義プロセスが自動化されたことで、1ヶ月間に捌ける案件数が従来とは比較にならない規模へと拡大しました。 - 作業時間を「日単位」から「分単位」へ短縮
数時間を要していた解決方法の調査は5分以内に、数日かかっていた要件定義書の作成作業も同じく5分以内へと短縮され、圧倒的なスピード感での顧客対応が可能となりました。
この変革により、コンサルタントは「作業」から解放され、より戦略的な判断や顧客との対話など、真に人間が注力すべき高付加価値な業務へ時間を再分配できるようになりました。
まとめ・考察
本事例の特筆すべき点は、個人の知見に閉じていた「コンサルティング」という高度な知的プロセスを、生成AIによって「誰もが、素早く、高品質に再現できる仕組み」へと昇華させたことです。
また、研究開発領域の技術課題は日々複雑化していますが、AIが膨大な外部知見を整理し、初動のコンタクトまで自動化することで、企業間のオープンイノベーションはより加速していくはずです。
今後は、蓄積されたマッチングデータをさらに分析することで、市場が求める「次なる技術ニーズ」を先読みするような、予測型のコンサルティングへの発展も期待されます。
AVILENが考えるAI変革とは
AVILENでは、AI変革を単発のAI導入や受託開発の積み上げではなく、企業の業務・意思決定・組織を段階的に変えていくプロセスと捉えています。
そのため、AI活用はいきなり大規模に進めるのではなく、段階を踏んで進めることが重要だと考えています。
AI導入は「5つのステップ」で進める
AVILENでは、AI変革を以下の5ステップで整理しています。
- リテラシーをつける
データ・AIの基本理解を揃え、技術の可能性と限界を正しく認識する - ビジョンを描く
AIを使って、どこで競争優位を作るのかを明確にする - Quick Winを実現する
短期間で成果が見えるテーマに絞り、成功体験をつくる - 体制を構築する
人材・組織・データ・システムを含めた推進体制を整える - 活用範囲を拡大する
PDCAを回しながら、AI活用を組織全体へ広げていく
AI変革を支える3つの考え方
この5ステップを進めるうえで、AVILENが大切にしている考え方は次の3点です。
- コア部分から小さく始め、大きく広げる
- 試しながら学ぶ、アジャイルなPDCA
- 外部に頼りきらず、徐々に内製化していく

本事例の位置づけ
本記事で紹介する取り組みは、こうしたAI変革のプロセスの中で設計された一つの実践例です。
AVILENは、「AIを作る会社」ではなく、AIを使って企業の変革を前に進めるパートナーでありたいと考えています。
記事の筆者

株式会社AVILEN
マーケティングチームリーダー/シニアマーケター / マーケター
立命館大学文学部を卒業後、大手地方新聞社、ビジネス系出版社での編集、広告営業職を経てブレインパッドにマーケターとして参画。2020年にDX、データ活用をテーマにしたオウンドメディア『DOORS -BrainPad DX Media-』を編集長/PMとして立ち上げ、グロース。ブランディングとプロモーションを両立したコンテンツマーケティングで成果を上げ、2022年にグループマネジャーに昇進。2025年7月よりAVILENに参画。





