【AI変革事例_金融業界】不動産鑑定士の一部業務を代替できるマルチモーダルAI

土地の評価業務において、不動産鑑定士のリソース不足と属人化の課題を、画像・数値・言語を統合解析するマルチモーダルAIの開発によって解決したAI開発事例です。
従来は専門家が数時間を要していた類似土地の抽出や調査業務を5分以内へと短縮し、ほぼ100%正解を含む高い精度を実現しました。
監修者

株式会社AVILEN
執行役員 CTO 兼 D&Aソリューション事業担当 / データサイエンティスト
広島大学大学院卒業。コンピュータビジョン、機械学習、ディープラーニング領域を専門とするデータサイエンティスト。複数の国際学会へ査読付き論文の採択実績を持つ。2021年、AVILENに参画。AIソリューション事業の最年少マネージャーとしてIPOをはじめとする事業拡大、SaaS事業の立ち上げからグロースを牽引。データ・AI・デジタルを軸としたビジネスモデルの再構築とビジネスプロセスの根本的な変革を、広範な業界の企業に対して支援を行う。
課題
適正な土地価格を評価する不動産鑑定士のリソース不足が、土地の販売・活用などを行うBtoBコンサルティング事業においてスケールのボトルネックになっていました。
また、高度な専門知識を要する鑑定業務は属人化しやすく、限られた有資格者のリソースが事業成長のスピードを制限している状態に。
特に、膨大な土地情報から類似事例を抽出し比較検討するプロセスにおいて、デジタル技術による効率化が強く求められていました。
ソリューション
画像、テーブルデータ、言語という異なる形式の情報を統合して解析する、高度なマルチモーダルAIを開発しました。
- マルチモーダルAIによる類似土地リストの自動生成
- 「画像」「表形式のテーブルデータ(Excel等)」「言語」の3つの形式のデータから、鑑定地に類似した土地のリストをランキング形式で生成するAIを構築しまあした。
- 「画像」「表形式のテーブルデータ(Excel等)」「言語」の3つの形式のデータから、鑑定地に類似した土地のリストをランキング形式で生成するAIを構築しまあした。
- 専門業務の代替によるコストダウンと受注拡大
- 鑑定対象の土地に関する調査や、価格の参考にする公示地点の選定などの業務を代替可能にし、低コストで大量の受注が可能な体制を整えました。
成果
AIによる業務代替の実現は、時間・精度・市場価値のすべてにおいて劇的な成果をもたらしました。
- 評価業務の圧倒的なスピードアップ
- 従来、専門家が数時間を要していた評価業務が、AIの導入により5分以内へと短縮されました。
- 従来、専門家が数時間を要していた評価業務が、AIの導入により5分以内へと短縮されました。
- 極めて高いリスト精度の実現
- AIが生成する類似リストの精度は、ほぼ100%正解を含むレベルに達しており、実務において極めて高い信頼性を確保しています。
- AIが生成する類似リストの精度は、ほぼ100%正解を含むレベルに達しており、実務において極めて高い信頼性を確保しています。
- 甚大な市場インパクトの創出
- 本ソリューションが不動産鑑定市場にもたらすインパクトは、推定200億円以上※1にのぼると算出されています。
これにより、専門職のリソース不足という制約から解放され、事業のスケールメリットを最大化できる組織へと変貌を遂げました。
まとめ・考察
本事例の特筆すべき点は、単一のデータ分析に留まらず、画像と言語、数値を統合して判断する「マルチモーダルAI」を専門業務の実戦に投入した点にあります。
高度な専門性と経験が必要とされてきた不動産鑑定業務をアルゴリズム化し、数時間を要していた思考プロセスを「5分」という短時間に凝縮したことは、単なる効率化を超え、専門家の能力をデジタルで拡張した新しい業務モデルの提示といえます。
今後は、蓄積された鑑定データとAIをさらに掛け合わせ、市場動向のリアルタイム予測や、より複雑な権利関係が絡む土地の評価支援などへの展開が期待されます。
AVILENが考えるAI変革とは
AVILENでは、AI変革を単発のAI導入や受託開発の積み上げではなく、企業の業務・意思決定・組織を段階的に変えていくプロセスと捉えています。
そのため、AI活用はいきなり大規模に進めるのではなく、段階を踏んで進めることが重要だと考えています。
AI導入は「5つのステップ」で進める
AVILENでは、AI変革を以下の5ステップで整理しています。
- リテラシーをつける
データ・AIの基本理解を揃え、技術の可能性と限界を正しく認識する - ビジョンを描く
AIを使って、どこで競争優位を作るのかを明確にする - Quick Winを実現する
短期間で成果が見えるテーマに絞り、成功体験をつくる - 体制を構築する
人材・組織・データ・システムを含めた推進体制を整える - 活用範囲を拡大する
PDCAを回しながら、AI活用を組織全体へ広げていく
AI変革を支える3つの考え方
この5ステップを進めるうえで、AVILENが大切にしている考え方は次の3点です。
- コア部分から小さく始め、大きく広げる
- 試しながら学ぶ、アジャイルなPDCA
- 外部に頼りきらず、徐々に内製化していく

本事例の位置づけ
本記事で紹介する取り組みは、こうしたAI変革のプロセスの中で設計された一つの実践例です。
AVILENは、「AIを作る会社」ではなく、AIを使って企業の変革を前に進めるパートナーでありたいと考えています。
記事の筆者

株式会社AVILEN
マーケティングチームリーダー/シニアマーケター / マーケター
立命館大学文学部を卒業後、大手地方新聞社、ビジネス系出版社での編集、広告営業職を経てブレインパッドにマーケターとして参画。2020年にDX、データ活用をテーマにしたオウンドメディア『DOORS -BrainPad DX Media-』を編集長/PMとして立ち上げ、グロース。ブランディングとプロモーションを両立したコンテンツマーケティングで成果を上げ、2022年にグループマネジャーに昇進。2025年7月よりAVILENに参画。






