ベイズ推定の定義や考え方を解説
このページでは、ベイズ推定法を理解するための事前知識として、リスクやベイス推定量などの用語の解説を中心に、ベイズ推定の考え方を説明します。
ベイズ推定とは
ベイズ推定とは、ベイズ推定量を算出してリスクの平均を最小にする考え方です。
ベイズ推定を理解するには、ある程度の前提知識が必要です。それらの前提知識を簡単に補いつつ、ベイズ推定の考え方を解説していきます。
ベイズ推定の理解に必要な前提知識
ベイズ推定を学習する前に、決定理論の概念を理解しておく必要があります。
決定理論とは、得られた情報(データ)からどのような行動をとるかを、統計学的に決定するための理論です。
また、行動を決定するために用いる関数として、損失関数、決定関数、危険関数(リスク関数)があります。
これらの関数を説明するために、以下の空間を定義します。
・標本空間:確率変数の観測値からなる集まり
・行動空間:行動の全体
・決定空間:決定関数の全体
・母数空間:パラメータが取りうる値の全体
損失関数
損失関数はどのような行動を取るかによって決まるため、行動の関数になります。
行動のとき、は、という行動をとったときのパラメータとの間に発生した損失といいます。
損失関数の置き方には以下のようなものがあります。
絶対損失:
平方損失:
決定関数
を決定関数といいます。
と表す場合、これはというデータが与えられたときにという行動を選ぶということを意味します。
危険関数(リスク関数)
リスク関数は、損失関数の期待値を意味します。
危険関数に実際に決定手法が入ったとき、をリスクと呼びます。
損失や危険関数については、「危険関数(リスク関数)とは」で例題を交えて分かりやすく解説をしています。併せてご確認ください。
ベイズ推定の考え方
改めて、ベイズ推定とは、ベイズ推定量を算出してリスクの平均(平均リスク)を最小にする考え方です。
平均リスクは事前分布におけるリスクの期待値を意味します。平均リスクは以下のように定義されます。
を、を確率変数とみなした事前分布とする。
リスクをとすると、平均リスクは以下となる。
連続型確率変数の場合
離散型確率変数の場合
平均リスクを最小にするような推定量をベイズ推定量、このときのリスクをベイズリスクといいます。
平均リスクを最小にするようなの推定量があるとき、このを事前分布に対するベイズ推定量という。
またがベイス推定量であるとき、このときのリスクをベイズリスクという。
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カテゴリ: ベイズ統計
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記事の筆者
AVILEN編集部
株式会社AVILEN