ARIMAモデル(自己回帰和分移動平均モデル)について分かりやすく解説

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ARIMAモデルとは

ARIMAモデル(AR Integrated MA model / 自己回帰和分移動平均モデル)はARモデルMAモデルに加えて差分系列の考えを組み合わせた時系列モデルです。

もう少し詳しく説明すると、時系列データのd階差分系列、 ytytd  y_t - y_{t - d}ARMAモデルで表現するモデルが、ARIMAモデルです。

定義式は次の通りです。

ytytd=c+ϕ1yt1+ϕ2yt2++ϕpytp+εt+θ1εt1++θqεtq y_{t} - y_{t-d} =c + \phi_{1}y_{t-1} + \phi_{2}y_{t-2} + \cdots + \phi_{p}y_{t-p} + \varepsilon_{t} + \theta_{1}\varepsilon_{t-1} + \cdots + \theta_{q}\varepsilon_{t-q}

また以下のようにARIMA(p,d,q) (p,d,q) モデルを表せます。

ytytd=c+εt+i=1pϕiyti+i=1qθiεti  (1) y_{t} - y_{t-d}=c + \varepsilon_{t} + \displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ p } \phi_{i}y_{t-i} +\displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ q } \theta_{i}\varepsilon_{t-i} \ \ldots \ (1)

ARIMAモデルと他モデルとの関係

ARIMAモデルの3つの変数p,d,q p,d,q を変更することで、ARモデル、MAモデル、ARMAモデルを表現できることを確認してみましょう。

まずはARIMA(1,0,0) (1,0,0) モデル式がどのようになるか考えます。

0 0 次差分系列がyty_t であることを考えると左辺はyty_t になります。一方で右辺は1 1 次ARモデルのみによって構成されます。

これを踏まえるとARIMA(1,0,0) (1,0,0) モデル式は以下のように表されます。

yt=c+εt+i=1pϕiyti y_{t}= c + \varepsilon_{t} + \displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ p } \phi_{i}y_{t-i}

これは1 1 次ARモデルです。

ARIMAモデルを用いてMAモデル、ARMAモデルを表現することも考えてみます。

例えばARIMA(0,0,1) (0,0,1) モデルは1次MAモデルになります。

yt=c+εt+i=11θiεti y_{t} =c + \varepsilon_{t} + \displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ 1 } \theta_{i}\varepsilon_{t-i}

ARIMA(2,0,1) (2,0,1) モデルは、ARMA(2,1) (2,1) モデルになります。

yt=c+εt+i=12ϕiyti+i=11θiεti y_{t} =c + \varepsilon_{t} + \displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ 2 } \phi_{i}y_{t-i} +\displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ 1 } \theta_{i}\varepsilon_{t-i}

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カテゴリ: 時系列分析

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