【AI変革事例_製造業界】AIアバターで社内コミュニケーションを活性化

AIアバターを活用し、Web会議における社内コミュニケーションを改善するAIを開発した事例です。
画像生成AIとフェイストラッキング技術を組み合わせ、顔出しせずに表情をリアルタイムで再現する仕組みを構築。
心理的負担を軽減しながら自然な対話を実現し、コミュニケーションの質と量の向上に貢献しました。
監修者

株式会社AVILEN
執行役員 CTO 兼 D&Aソリューション事業担当 / データサイエンティスト
広島大学大学院卒業。コンピュータビジョン、機械学習、ディープラーニング領域を専門とするデータサイエンティスト。複数の国際学会へ査読付き論文の採択実績を持つ。2021年、AVILENに参画。AIソリューション事業の最年少マネージャーとしてIPOをはじめとする事業拡大、SaaS事業の立ち上げからグロースを牽引。データ・AI・デジタルを軸としたビジネスモデルの再構築とビジネスプロセスの根本的な変革を、広範な業界の企業に対して支援を行う。
課題
リモートワークの普及に伴いWeb会議が日常化する一方で、自分の顔を画面に映し出すことに抵抗感やストレスを抱くユーザーは少なくありません。
ある大手製造企業の新規事業を模索する研究開発チームでは、この心理的負担を軽減し、より円滑で活発な社内コミュニケーションを促すための解決策を検討していました。
カメラをオフにすればプライバシーは守られますが、表情が見えないことで非言語情報の伝達が損なわれ、雰囲気やカルチャーの醸成に課題が残ります。
そこで、利用者の顔を直接映す代わりに、本人の特徴を捉えた「動く似顔絵」を活用し、プライバシー保護とリアルな対話体験を両立させるアプリケーションの開発に踏み切りました。
ソリューション
画像生成AIと最新のトラッキング技術を融合し、ノートPCの標準カメラのみで動作する高度なアバター対話システムを構築しました。
- パーソナライズされた似顔絵生成
利用者のポートレート画像を撮影し、AIがその人物の特徴を反映した高品質な似顔絵アバターを生成するシステムを開発しました。 - リアルタイム・表情変換エンジン
生成された静止画アバターに、利用者の表情をリアルタイムで同期させる仕組みを実装しました。 - 高度なフェイストラッキング
利用者の目や口の動き、表情の変化を精密にトラッキングし、アバターが遅延なくリアルに再現することを可能にしました。
エンジニアが「このようなツールがあれば面白いのではないか」という発想から始めたこの試みは、単なる画像生成に留まらず、Web会議プラットフォーム上で実用可能な対話ツールへと昇華されました。
成果
本プロジェクトは、わずか3ヶ月という短期間でAIモデルを活用したアプリケーション開発を完了させました。
- 没入感と低遅延
リアルタイムのフェイストラッキングにより、表情変換における遅延ゼロを実現し、ストレスのない自然な会話を可能にしました。 - 日本人特化の高品質表現
日本人の特徴に最適化したアバター生成モデルを構築したことで、利用者が愛着を持ちやすい高クオリティな外観を実現しています。
このツールの活用により、会議参加者の心理的ストレスが軽減され、発言のハードルが下がったことで、組織全体のコミュニケーション量と質の向上が期待できる体制が整いました。
まとめ・考察
本事例は、生成AIのクリエイティブな能力を、組織運営の根幹である「コミュニケーションの活性化」に結びつけた好例です。
特筆すべき点は、単にアバターを作るだけでなく、Webカメラを通じた表情変換を「遅延ゼロ」で実装した技術力の高さにあります。
これにより、静止画では伝えきれない感情の機微を共有しつつ、顔出しの心理的負担を排除するという、相反する課題を解決しました。
今後は、メタバース空間への展開や、多種多様なアートスタイルへの対応、さらには声のトーンから感情を補完する機能の追加など、ビジネスコミュニケーションのあり方を根本から再定義する可能性を秘めています。
AVILENが考えるAI変革とは
AVILENでは、AI変革を単発のAI導入や受託開発の積み上げではなく、企業の業務・意思決定・組織を段階的に変えていくプロセスと捉えています。
そのため、AI活用はいきなり大規模に進めるのではなく、段階を踏んで進めることが重要だと考えています。
AI導入は「5つのステップ」で進める
AVILENでは、AI変革を以下の5ステップで整理しています。
- リテラシーをつける
データ・AIの基本理解を揃え、技術の可能性と限界を正しく認識する - ビジョンを描く
AIを使って、どこで競争優位を作るのかを明確にする - Quick Winを実現する
短期間で成果が見えるテーマに絞り、成功体験をつくる - 体制を構築する
人材・組織・データ・システムを含めた推進体制を整える - 活用範囲を拡大する
PDCAを回しながら、AI活用を組織全体へ広げていく
AI変革を支える3つの考え方
この5ステップを進めるうえで、AVILENが大切にしている考え方は次の3点です。
- コア部分から小さく始め、大きく広げる
- 試しながら学ぶ、アジャイルなPDCA
- 外部に頼りきらず、徐々に内製化していく

本事例の位置づけ
本記事で紹介する取り組みは、こうしたAI変革のプロセスの中で設計された一つの実践例です。
AVILENは、「AIを作る会社」ではなく、AIを使って企業の変革を前に進めるパートナーでありたいと考えています。
記事の筆者

株式会社AVILEN
マーケティングチームリーダー/シニアマーケター / マーケター
立命館大学文学部を卒業後、大手地方新聞社、ビジネス系出版社での編集、広告営業職を経てブレインパッドにマーケターとして参画。2020年にDX、データ活用をテーマにしたオウンドメディア『DOORS -BrainPad DX Media-』を編集長/PMとして立ち上げ、グロース。ブランディングとプロモーションを両立したコンテンツマーケティングで成果を上げ、2022年にグループマネジャーに昇進。2025年7月よりAVILENに参画。




