【AI変革事例_看護・介護業界】生成AI活用とRPA連携による看護業務の月報作成効率化システム

訪問看護の現場で負担となっていた行政提出用の月報作成を、生成AIとRPAの連携により自動化したAI活用事例です。
日報データから重要な兆候をAIが要約して既存システムに自動入力する仕組みを構築し、1患者あたりの作成時間を数十分から約5分に短縮しました。
監修者

株式会社AVILEN
執行役員 CTO 兼 D&Aソリューション事業担当 / データサイエンティスト
広島大学大学院卒業。コンピュータビジョン、機械学習、ディープラーニング領域を専門とするデータサイエンティスト。複数の国際学会へ査読付き論文の採択実績を持つ。2021年、AVILENに参画。AIソリューション事業の最年少マネージャーとしてIPOをはじめとする事業拡大、SaaS事業の立ち上げからグロースを牽引。データ・AI・デジタルを軸としたビジネスモデルの再構築とビジネスプロセスの根本的な変革を、広範な業界の企業に対して支援を行う。
課題
訪問看護の現場では、慢性的な人材不足にもかかわらず、看護師が月報作成(行政提出用)に月数十時間を費やしており、患者ケア品質の低下や情報の記載漏れといったリスクが顕在化・常態化。
膨大な量の日報をもとに要約しつつ月報をまとめるという作業が、看護師の大きな業務負担になっていました。
ソリューション
AVILENは、看護師の事務負担を劇的に軽減し、本来の専門業務であるケアに集中できる環境を整えるため、「日報要約」と「月報入力」を自動化するAIシステムを構築しました。
- AIによる高度な要約
- 数クリックの操作で、日報データを既存システムから取得します。
- 生成AIが、根本治療を必要とする病の兆候など、重要な兆候を見逃さずに要約を行います。
- RPAによる自動入力と既存運用の維持
- 生成AIによる要約内容を、既存の業務システムにある月報作成画面にRPAが自動で入力します。
- 【コストを抑えた迅速な導入】 生成AIとRPAを組み合わせることで、既存の業務システムを入れ替えることなく、従来の操作感を維持したまま、迅速かつ低コストでの業務効率化を実現しました。こうした課題に対し、相場の見立てを「個人の勘」ではなく「再現できる仕組み」に落とし込むための開発を行いました。
成果
本システムの導入により、事務作業の効率化のみならず、医療現場の安全性向上にも寄与する成果が得られています。
- 作成時間の大幅な短縮
- これまで1患者あたり数十分を要していた月報作成時間が、約5分へと劇的に短縮されました。
- これまで1患者あたり数十分を要していた月報作成時間が、約5分へと劇的に短縮されました。
- 品質の均一化と医療リスクの軽減
- 転記や要約の自動化により月報の品質が均一化され、記載漏れなどの医療的リスクの軽減につながっています。
- 転記や要約の自動化により月報の品質が均一化され、記載漏れなどの医療的リスクの軽減につながっています。
- 人的資源の再分配
- 削減された看護師の稼働工数を、直接的な患者ケアや専門業務へ再分配することが可能になり、看護師の方々が患者と向き合うというより本質的な業務に集中できるようになりました。
まとめ・考察
単なる自動化ツールに留まらず、生成AIによる「内容の判断・解釈」とRPAによる「既存運用の維持」を高度に両立させ、多忙な医療現場における意思決定と記録のあり方を根本から変えた点が特徴です。
現場に蓄積された日報データが正確に構造化されることで、将来的には個々の患者・利用者の状態変化をより早期に察知する予兆検知など、データ駆動型の次世代医療・介護サービスへとつながることが期待されます。
AVILENが考えるAI変革とは
AVILENでは、AI変革を単発のAI導入や受託開発の積み上げではなく、企業の業務・意思決定・組織を段階的に変えていくプロセスと捉えています。
そのため、AI活用はいきなり大規模に進めるのではなく、段階を踏んで進めることが重要だと考えています。
AI導入は「5つのステップ」で進める
AVILENでは、AI変革を以下の5ステップで整理しています。
- リテラシーをつける
データ・AIの基本理解を揃え、技術の可能性と限界を正しく認識する - ビジョンを描く
AIを使って、どこで競争優位を作るのかを明確にする - Quick Winを実現する
短期間で成果が見えるテーマに絞り、成功体験をつくる - 体制を構築する
人材・組織・データ・システムを含めた推進体制を整える - 活用範囲を拡大する
PDCAを回しながら、AI活用を組織全体へ広げていく
AI変革を支える3つの考え方
この5ステップを進めるうえで、AVILENが大切にしている考え方は次の3点です。
- コア部分から小さく始め、大きく広げる
- 試しながら学ぶ、アジャイルなPDCA
- 外部に頼りきらず、徐々に内製化していく

本事例の位置づけ
本記事で紹介する取り組みは、こうしたAI変革のプロセスの中で設計された一つの実践例です。
AVILENは、「AIを作る会社」ではなく、AIを使って企業の変革を前に進めるパートナーでありたいと考えています。
記事の筆者

株式会社AVILEN
マーケティングチームリーダー / マーケター
立命館大学文学部を卒業後、大手地方新聞社、ビジネス系出版社での編集、広告営業職を経てブレインパッドにマーケターとして参画。2020年にDX、データ活用をテーマにしたオウンドメディア『DOORS -BrainPad DX Media-』を編集長/PMとして立ち上げ、グロース。ブランディングとプロモーションを両立したコンテンツマーケティングで成果を上げ、2022年にグループマネジャーに昇進。2025年7月よりAVILENに参画。




