片側検定と両側検定の違いをわかりやすく解説

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仮説検定には、片側検定、両側検定があります。同一の有意水準を使った場合でも、どちらの検定を用いるかで棄却域が変わってきます。このページでは、それぞれの使用場面について説明します。

片側検定(one sided test)とは

片側対立仮説に対する仮説検定を片側検定といいます。

片側対立仮説とは、帰無仮説μ=0μ=0に対して、μ<0μ\lt0μ>0μ\gt0である対立仮説です。

正規分布やt分布を用いた検定の場合、棄却域は以下のようになります。

片側仮説検定の図

両側検定(two sided test)とは

両側対立仮説に対する仮説検定を両側検定といいます。

両側対立仮説とは、帰無仮説μ=0μ=0に対して、μ0μ≠0をである対立仮説です。

正規分布やt分布を用いた検定の場合、棄却域は以下のようになります。

両側仮説検定

片側、両側の選び方の具体例

具体例を用いて、片側検定・両側検定のどちらを選ぶべきか考えてみましょう。

ダイエットに効く新薬を開発しました。この薬の効果を確かめるために10人に処方し、体重の変化をまとめました。

この新薬は効果があるでしょうか?

A

B

C

D

E

F

G

H

I

J

服用前(kg)

66.4

64.3

53.6

77.4

74.8

85.3

44.5

35.6

77.5

43.6

服用後(kg)

67.5

63.3

52.1

68.9

75.7

86.5

50.4

30.2

70.2

41.3

体重の変化(kg)

+1.1

-1.0

-1.5

-8.5

+0.9

+1.2

+5.9

-5.4

-7.3

-2.3

着目するべきポイントは、服用前後の体重差です。よって、体重の変化平均値が0かどうかについて考えます。

帰無仮説H0H_0は、体重の変化量の母平均μμを用いて以下のように置きます。

H0H_0μ=0μ=0(体重の変化が0なので、ダイエット薬に効果がない)

これに対して対立仮説は3通り考えられます。

H1H_1μ0μ≠0(ダイエット薬には、何らかの効果がある)→両側対立仮説

H1H_1μ<0μ\lt0(ダイエット薬には、体重減少の効果がある)→片側対立仮説

H1H_1μ>0μ\gt0(ダイエット薬には、体重増加の効果がある)→片側対立仮説

①は両側対立仮説、②③は片方のみを評価しているので片側対立仮説となります。

新薬による何らかの効果(体重の減少だけでなく増加も含めた効果)を確かめる場合は、①の両側対立仮説を利用して両側検定を実施します。

新薬の効果(服用したら体重が減少すること)を確かめたい場合は、②の片側対立仮説を利用して片側検定を実施します。

新薬の副作用や逆の項か(服用したら体重が増加すること)を確かめたい場合は、②の片側対立仮説を利用して片側検定を実施します。

上記のとおり、片側検定・両側検定のどちらを採用するかは、設定する問題によって決定します。

片側検定か両側検定のどちらを採用するかは、仮説検定を実施する前に決めておく必要があります。

仮説検定の統計量の値を見てから、「こっちの検定にしよう」、「両側検定で有意にならなかったので、片側検定に変えよう」といった決め方はNGです。

どちらの検定を採用するかは、仮説検定の目的によって決まることであり、その目的は検定後に変わるものではないということを認識しておきましょう。

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カテゴリ: 仮説検定

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