掃き出し法とは
掃き出し法とは、以下のように説明できます。
掃き出し法
行列Aの右隣に単位行列Iをつけ、行基本変形を行い、[I B]に変形する。
この行列Bが行列Aの逆行列A−1となる。
n×n行列の掃き出し法は以下のようになります。
例題
それでは、実際に掃き出し法を用いて逆行列を求めましょう。
例題
行列A=102211221の逆行列A−1を求めよ。
解答は以下の通りです。
行列Aの右隣に単位行列Iをつけ、10221122 1 1000100 0 1とし、この行列を行基本変形し、[I B]の形になるように意識しながら変形します。
まず、この行列の1行目を-2倍し3行目に加えると次のようになる。
10021−322 −3 10−20100 0 1
次に2行目の行列の-2倍を1行目に加え、3行目の行列に−31をかけると次のようになる。
100011−22 1 1032−2100 0 −31
同様に2行目の行列の-1倍を3行目に加えると次のようになる。
100010−22 −1 10 32−21−10 0 −31
同様に3行目の行列の-2倍を1行目に加え、3行目の行列の2倍を2行目に加えると次のようになる。
10001000 −1 −3134 320−1−132 −32 −31
最後に3行目を-1倍かける。
10001000 1 −31 34 −320−11 32 −32 31
以上より、[I B]の形に式変形することができました。よって
A−1=−31 34 −320−11 32 −32 31
となります。