固有値と固有ベクトルの求め方と例題を用いて解説

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固有値の求め方

固有値と固有ベクトルの定義は以下のようになります。

n次正方行列Aについて、

Ax = λx,x \neq 0

のとき、λをAの固有値といい、xをλに関する固有ベクトルといいます。

また、Ax = λxから、以下の式を得られます。

(λIA)x=0 (λI-A)x = 0

上記の式を得るためには、x \neq 0である必要があるので、

det(λIA)=0 det(λI-A) = 0

となることが必要です。

よって、固有値を求める公式は以下となります。

固有値を求める公式

n次正方行列Aについて、

det(λIA)=0 det(λI-A) = 0

のとき、λは行列Aの固有値である。

固有ベクトルの求め方

固有ベクトルは、固有値を使って求めます。

(λIA)x=0 (λI-A)x = 0 に求めた固有値λを代入し、等式が成り立つようなxが固有ベクトルです。

つまり固有値の数だけ、それに対する固有ベクトルが存在します。

例題で考えましょう。

例題

行列A= (41 21) A = \begin{pmatrix} 4 & 1\\  -2 & 1 \end{pmatrix}の固有値と固有ベクトルを求めよ。

解答は以下となります。

公式:det(λIA)=0 det(λI-A) = 0 に行列Aを代入すると、

det(λ(1 0 01) (41 21))=0 det(λ \begin{pmatrix} 1 & 0\\  0 & 1 \end{pmatrix}  -\begin{pmatrix} 4 & 1\\  -2 & 1 \end{pmatrix}) = 0

です。この式を整理すると、

det(λ41 2 λ1 ) =0 det \begin{pmatrix} λ-4 & -1\\  2 &  λ-1 \end{pmatrix}  = 0

 (λ4)(λ1)(1)2=0\Leftrightarrow   (λ-4)(λ-1) - (-1)2 = 0

 λ25λ+6=0\Leftrightarrow   λ^2 - 5λ + 6 = 0

 (λ2)(λ3)=0\Leftrightarrow   (λ-2)(λ-3) = 0

よって、固有値λは2と3になります。

次にそれぞれの固有値に対する固有ベクトルを求めます。

固有値λ=2λ = 2のとき

(λIA)x=0 (λI-A)x = 0

λ=2λ = 2A= (41 21) A = \begin{pmatrix} 4 & 1\\  -2 & 1 \end{pmatrix}を代入すると、

(2( 1  0 0 1)(41 21))x=0 (2\begin{pmatrix} 1 & 0\\  0 & 1 \end{pmatrix}-\begin{pmatrix} 4 & 1\\  -2 & 1 \end{pmatrix})x = 0

(21 21)x=0 \begin{pmatrix} -2 & -1\\  2 & 1 \end{pmatrix}x = 0

よって、x= (12) x= \begin{pmatrix} 1\\-2 \end{pmatrix} です。

固有値λ=3λ = 3のとき

(λIA)x=0 (λI-A)x = 0

λ=3λ = 3A= (41 21) A = \begin{pmatrix} 4 & 1\\  -2 & 1 \end{pmatrix}を代入すると、

(3( 1  0 0 1)(41 21))x=0 (3\begin{pmatrix} 1 & 0\\  0 & 1 \end{pmatrix}-\begin{pmatrix} 4 & 1\\  -2 & 1 \end{pmatrix})x = 0

(11 22)x=0 \begin{pmatrix} -1 & -1\\  2 & 2 \end{pmatrix}x = 0

よって、x= (11) x= \begin{pmatrix} 1\\-1 \end{pmatrix} です。

カテゴリ: 線形代数

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