公式の確認
まずは、公式の確認をしましょう。
積率母関数 | MX(t)=Net1−et1−etN |
期待値 | E(X)=2N+1 |
分散 | V(X)=12N2−1 |
離散一様分布の積率母関数(モーメント母関数)の導出
MX(t)=E(etk)=k=1∑NetkP(X=k)=k=1∑NetkN1=N1k=1∑Netk=N11−etet(1−etN)=Net1−et1−etN
積率母関数を用いた期待値の導出
E(X)=dtdMx(t)t=0=(Net1−et1−etN)′t=0=Net1−et1−etN+Net(1−et)2(−NetN)(1−et)−(1−etN)(−et)t=0=Net(1−et)2(1−etN)(1−et)+(−NetN)(1−et)−(1−etN)(−et)t=0
【補足】
上式にt=0を代入すると、分母が0になる。そのため上式が定義できない。そこでロピタルの定理を用いる。
ロピタルの定理とは
x→alimg(x)f(x)=x→alimg(x)′f(x)′
である。これを前述の式に適応させる。
=t→0limNet(1−et)2(1−etN)(1−et)+(−NetN)(1−et)−(1−etN)(−et)=t→0lim(N(1−et)2)′′(et((1−etN)(1−et)+(−NetN)(1−et)−(1−etN)(−et)))′′=2NN2+N=2N+1
積率母関数を用いた分散の導出
E(X2)=dt2d2mX(t)t=0
【補足】
これを前述のロピタルの定理を用いて導くことができるが、計算が煩雑であるため省略する。離散一様分布の分散は、確率質量関数から求める手法が採用される。その値は、
V(X)=12N2−1となる。
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