クラメール・ラオの下限とは
クラメール・ラオの下限とは、以下のような説明されます。
不偏推定量θ^に対して、以下を満たす。
V[θ^]≥Jn(θ)−1
ただし、Jn(θ)はフィッシャー情報量である。
クラメール-ラオの下限の証明
θ^を不偏推定量とすると
E[(θ^−θ)∂θ∂logf(X;θ)]
=Cov[(θ^−θ),∂θ∂logf(X;θ)]
ここで、相関係数の性質より
(−1≤)V[θ^−θ]V[∂θ∂logf(X;θ)]Cov[(θ^−θ),∂θ∂logf(X;θ)]≤1
である。よって、
≤V[θ^−θ]V[∂θ∂logf(X;θ)]
=V[θ^]V[∂θ∂logf(X;θ)]
となる。
ここで左辺は、
E[(θ^−θ)∂θ∂logf(X;θ)]
=E[θ^∂θ∂logf(X;θ)]−θE[∂θ∂logf(X;θ)]
スコア関数の期待値は0であることを利用(詳細はこちら)
=∂θ∂E[θ^]
=∂θ∂θ
=1
となる。両辺を比較すると、
1≤V[θ^]V[∂θ∂logf(X;θ)]
両辺を2乗して、
⇔1≤ V[θ^]V[∂θ∂logf(X;θ)]
⇔V[∂θ∂logf(X;θ)]1≤V[θ^]
V[∂θ∂logf(X;θ)]=Jn(θ)であることを利用(詳細はこちら)
⇔Jn(θ)−1≤V[θ^]
関連記事
尤度関数、スコア関数、フィッシャー情報量とは?