かんぽ生命が「新卒デジタル採用」人材向けの育成ロードマップを策定 - AVILENがスキル定義から育成計画まで総合支援

かんぽ生命が「新卒デジタル採用」人材向けの育成ロードマップを策定 - AVILENがスキル定義から育成計画まで総合支援

株式会社かんぽ生命保険(以下、かんぽ生命)は、お客さまの体験価値向上と業務の効率化・生産性向上を目的にDX推進に取り組んでいます。

AVILENは、かんぽ生命が取り組む「新卒デジタル採用」の人材像・スキル定義、育成計画の策定をご支援しました。

今回は、本プロジェクトを推進したデジタルサービス推進部の白倉様と原様にインタビューを実施しました。

かんぽ生命 デジタルサービス推進部 上席専門役 白倉様、企画役 原様
(写真右)デジタルサービス推進部 上席専門役 白倉様
(写真左)デジタルサービス推進部 企画役 原様

かんぽ生命が取り組むDX


– かんぽ生命はどのような方針でDXを推進していますか?

「CX向上のためのDX推進」を掲げて、お客さまの体験価値を向上させることを目標に、DXを推進しています。

リアルとデジタルを織り交ぜて、お客さまの利便性を高めるとともに、業務効率化・生産性の向上を目指しています。

具体的には、お客様の情報をデジタル管理し適切なコミュニケーションができるようなフローを構築したり、ChatGPTを業務に活用したりと、様々な取り組みを実践しています。

– 白倉様、原様が所属するデジタルサービス推進部は、どのようなミッションを持っているのでしょうか?


2016年4月に、FinTechをはじめとする金融を取り巻く状況変化や社会環境の変化に、的確に対応していくために、現部署の前身となる「イノベーション推進室」が立ち上がりました。

2018年4月からは、DX推進の目標にもなっている通り、リアルの接点で顧客に提供してきた価値を大切にしながら、デジタルでのサービス展開や体験向上を推進する部署として、組織・人員体制を増強した「デジタルサービス推進部」となりました。

WEBページや健康応援アプリ、データ分析などデジタルの顧客接点にまつわるサービスの企画・開発・運用を担っています。

「新卒デジタル採用」への取り組みと見えてきた課題

– 「新卒デジタル採用」とはどのような背景で始まった取り組みでしょうか。


「新卒デジタル採用」は2022年度から取り組んでいます。

これまで、IT専門人材の確保は中途採用を中心に取り組んできました。
中長期的な目線では、生命保険業のビジネスやかんぽ生命の業務に関する知見とITの専門知識を兼ね備えた人材を育成していくことが重要であるという観点から始まりました。

– 採用や育成に関して、当初抱えていた課題について教えてください。


新卒デジタル採用の1期生が入社から1年経過したタイミングで、OJTに頼った教育の限界や、部門レベルで実施する教育と現場レベルで実施する教育とのすみ分けをどうするかなど、いくつかの課題が見えてきました。

新卒デジタル採用で入社した社員に対して、デジタルサービス推進部の実態を踏まえた育成計画の見直し・策定が必要な状況でした。

「新卒デジタル採用」向け人材スキル定義・育成計画策定


今回の人材スキル定義・育成計画策定のプロジェクトの概要は以下の通り。

ロードマップ策定プロジェクト実施概要

– AVILENのことを知ったきっかけや本プロジェクトをご依頼いただいた決め手を教えてください。

他の企業でDX研修や分析コンペティションを企画・運営されている話を聞いて、AVILENのことを知りました。
DXの人材育成についての豊富な実績と、郵政グループでDX研修を実施していた点が、本プロジェクトを依頼する決め手になりました。

– 本プロジェクトを終えてみて、苦労した点はありますか?



かんぽ生命にとって必要な人材像」とIPAが提唱するDX人材像のギャップや、スキル獲得に必要な研修・アセスメントの策定に苦労しました。

社内でも、デジタル採用社員・上司の間で、それぞれのニーズや教育の優先度にギャップが生じていることが分かりました。

例えば、OJTとOFF-JTのバランスです。当社のような大規模な職場では、同じ部門でも業務の担当範囲が様々です。各々の業務の管理者とデジタル採用社員とのニーズのバランスを取りながら、育成の企画・実施をしていく必要性を強く感じました。


– 本プロジェクトに取り組む過程で感じた手応えはありますか?

AVILEN社との打ち合わせで、ロードマップ策定のプロセスが明確になり、目指すべきゴール設定がしやすくなりました。
必要な人材やスキルの全体像を整理し、網羅的に育成計画を策定できた点が良かったです。

– 本プロジェクトをAVILENと推進して良かった点はありますか?

我々のオーダーをそのまま形にするのではなく、他業界・他社での育成実績を踏まえ、新たな視点や意見をいただきながら進められたことが良かったです。
当社の事業や各部門の状況を理解した上で、一緒に作り上げてもらえている信頼感がありました。

今後の展望

– 今回、作成したロードマップをどのように活用していく予定ですか?

2024年4月から、新卒デジタル採用社員向けに、ロードマップに沿った研修を試行的に実施する予定です。

生命保険業は、息の長いビジネスです。一方、DX業界におけるニーズの変化は、ますます激しくなっています。だからこそ、そのサービスを提供する人材の育成も企画して終わりではなく、常にブラッシュアップし、次の世代につないでいくことができるよう見直すことが重要であると考えています。

今後もAVILEN社の知見をお借りしながら、DX人材の輩出に向けて継続的に活動していきたいです。