G検定とは?試験内容やおすすめの勉強法を解説

G検定とは?試験内容やおすすめの勉強法を解説

本記事では、G検定の対策の流れや効率的に勉強するコツを紹介します。

G検定とは

G検定(ジェネラリスト検定)は、「ディープラーニングに関する知識を有し、事業活用する人材」の認定を目的とした、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が開催する資格試験。デジタルリテラシー協議会が定義する、全てのビジネスパーソンが持つべきデジタルリテラシー「De-Lite」のうち、主に「人工知能(AI)・ディープラーニング領域」を習得できる資格として推奨されています。

G検定とE資格の違い

E資格もG検定と同様、日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する資格試験ですが、認定する能力や受験難易度に明確に差があります。
G検定」はAIについて幅広い知識を獲得できる資格試験、「E資格」はディープラーニングのエンジニアリングに関する知識や実装力を獲得できる資格試験で、E資格は、G検定のネクストステップとして位置づけられます。

E資格について詳しく知りたい方はこちら
>> E資格とは? 注目のAI エンジニア向け資格を解説【最新版】

G検定とDS検定の違い

DS検定は、一般社団法人データサイエンティスト協会が主催する資格試験です。「データサイエンス・データエンジニアリング・ビジネス」の3領域について、データサイエンティストに必要とされるリテラシーを問われます。

G検定とDS検定の出題範囲のすみわけは以下の図のようになっていて、G検定では「AI・ディープラーニング」の領域を重点的に学ぶことになります。


参照:Di-Lite

「G検定は意味ない」と言われる理由

G検定の取得を考えている方から、「G検定は取得しても意味がないですよね?」といった意見を聞くことがあります。意味がない言われる理由を以下に2点挙げます。
これからG検定を目指す方は、こういった意見があることを認識しつつ、G検定に合格することを目的とせず、G検定で身に付けた知識をどのように活用できるかを考えながら学習を進めることをお勧めします。

理由1:G検定は民間資格であるから

ITパスポートや基本情報技術者などの国家資格と比べると、資格試験の権威性として見劣りすると考える方がいます。
G検定は経済産業省がオブザーバーをつとめる「デジタルリテラシー協議会」で推奨されている資格試験です。さらにG検定取得者数は2017年以降右肩上がりに推移しており、順調に認知度を高めています。

G検定の累計受験者数と合格者数の推移グラフ
参考>> 「2024年 第4回 G検定」開催結果。4,140名が受験し、3,080名の合格者が誕生。

理由2:試験当日はカンニングをしながら問題を解くことができるから

G検定の制度上、試験当日はWEB検索や書籍を参照しながら問題を解くことができるため、難易度が低い試験だと考える方がいます。
後述のとおり、120分で200問程度を解く必要があるため、検索に使う時間はほぼありません。試験当日に検索しやすいように情報を整理しつつ、知識として定着させておくことをお勧めします。

G検定の試験概要

試験概要は以下の通りです。自宅のパソコンから受験でき、試験中にブラウザやテキストなどで調べながら問題を解いてもOKなのがG検定試験の大きな特徴。詳細はJDLAのホームページを確認ください。

受験資格:なし
形  式:多肢選択式・160問程度
試験時間:120分
試験会場:自宅受験(オンライン)
受験費用:(一般)13,200円 / (学生)5,500円 ※いずれも税込金額

G検定の試験範囲・出題分野

G検定では、人工知能(AI)の歴史から、機械学習・深層学習の具体的な手法、AI活用に向けた社会実装まで、幅広く知識が問われます。
詳細はJDLAのホームページに公開されているG検定の出題範囲(シラバス)をご確認ください。

  1. 人工知能(AI)とは
  2. 人工知能をめぐる動向
  3. 人工知能分野の問題
  4. 機械学習の具体的手法
  5. ディープラーニングの概要
  6. ディープラーニングの手法
  7. ディープラーニングの社会実装に向けて
  8. 数理・統計

G検定の試験スケジュール

G検定の試験スケジュールは、JDLAのホームページに公開されています。2023年から受験回数が増え、時期をさほど気にせずに受験することができるようになりました。
思うように対策が進まず、受験申し込みを見送る場合でも、期間を開けずに次の試験に臨めるようになったのは魅力的です。

開催回

実施日程

G2025#1

2025年1月11日(土)13:00

G2025#2

2025年3月7日(金)16:00
2025年3月8日(土)13:00

G2025#3

2025年5月10日(土)13:00

G2025#4

2025年7月4日(金)16:00
2025年7月5日(土)13:00

G2025#5

2025年9月6日(土)13:00

G2025#6

2025年11月7日(金)16:00
2025年11月8日(土)13:00

G検定を取得する3つのメリット

G検定(ジェネラリスト検定)を取得するメリットは、以下の3つです。

①AIの知識を体系的に学習できる

G検定では、AI・ディープラーニングに関する歴史・理論・技術・社会実装など幅広い分野を網羅的に学ぶことができます。G検定をベースに学習をすれば抜け漏れなく体系的に知識を習得できるのがメリットです。

習得した知識は、自社のサービスや業務フローへのAI活用を企画をする際に役立ちます。

②AI・ディープラーニングの基礎知識を保有していることの証明になる

G検定を保有することで、ディープラーニングの基礎知識を持っていることを対外的にアピールすることができます。

社内のAI人材育成カリキュラムに「G検定」を組み込む企業が増えてきており、こういった企業に就職・転職する際には、すでにAI・ディープラーニングの基礎知識があること、学習意欲があることをアピールすることができます。

③JDLA主催の交流会「CDLE」に参加できる

G検定・E資格の合格者のみが参加できるコミュニティ「CDLE」に参加できます。ここでは、合格者同士の交流や情報発信が日常的に行われています。
また、CDLEが主催するイベントやハッカソンなども定期的に開催されているため、資格取得後も継続的にインプットとアウトプットを続けることが可能です。

G検定の合格率・合格ラインからみる難易度

JDLAの発表によると、G検定の直近1年の合格率は、65%~70%台で推移しています。
合格ラインに関しては公式に発表されていません。まずは正答率80%を目指して学習を進めておけば安心でしょう。

開催回

受験者数

合格者数

合格率

2023#1

7,150

4,705

65.80%

2023#2

3,052

2,075

67.99%

2023#3

4,518

3,106

68.75%

2023#4

3,309

2,390

72.23%

2023#5

5,330

3,662

68.71%

2024#1

3,291

2,398

72.87%

2024#2

5,227

3,760

68.03%

2024#3

3,044

2,236

73.46%

2024#4

4,140

3,080

74.40%

G検定の合格率が他のIT系の資格と比較して高めだと言われている理由のひとつに、G検定の受験者層が考えられます。

以下は、JDLAが公開している業種ごと・職種ごとの合格者数から、合格者全体に占める割合を算出した図です。
AI活用が進んでいる業界や、IT関連の職種の割合が高いことが、60%台の合格率で推移している要因の一つと考えられます。

<業界ごとのG検定合格者数>

業種ごとのG検定合格実績

<職種別のG検定合格者数>

参考
「2023年 第1回 G検定」開催結果を発表(7,150名が受験し、4,705名が合格)
「2023年 第2回 G検定」開催結果を発表(3,052名が受験し、2,075名が合格)
「2023年 第3回 G検定」開催結果を発表(4,518名が受験し、3,106名が合格)
「2023年 第4回 G検定」開催結果を発表(3,309名が受験し、2,390名が合格)
「2024年 第1回 G検定」開催結果を発表(3,291名が受験し、2,398名が合格)
「2024年 第2回 G検定」開催結果を発表(5,527名が受験し、3,760名が合格)
「2024年 第3回 G検定」開催結果を発表(3,044名が受験し、2,236名が合格)
「2024年 第4回 G検定」開催結果を発表(4,140名が受験し、3,080名が合格)

G検定合格に向けた学習時間

G検定(ジェネラリスト検定)は、基礎的なAI資格。そのため、AI・ディープラーニングの知識をゼロから学ぶ方が多いと思います。

AI・ディープラーニング初学者の方の場合は、1~2ヶ月間程度、1日あたり1~2時間ほどの学習時間を設けるのが理想的です。
すでにAI・ディープラーニングを持っている方の場合は、1ヶ月間ほどの学習期間で足りるケースもあります。

仕事・学業との兼ね合いで思い通りに学習時間を割けないケースも考慮し、余裕を持った学習スケジュールを組みましょう。

独学でG検定に合格するには

自分でスケジュールを組んで計画的に学習を進めること、学習したことを自分なりにまとめ直して理解することが得意な方におすすめの勉強方法を解説します。

対策の流れは以下の通りです。

  1. AIの概要を把握
  2. G検定公式テキストで出題範囲を把握
  3. 問題演習
  4. 時事・法律問題対策


対策1:AIの概要を把握

G検定の学習を効率的に進めるには、「AIとは何か?」を正しく理解しておくことが非常に大切です。

AIの概要を掴むのにおすすめの書籍は、JDLAの会長でディープラーニング研究の第一人者である松尾 豊 氏の著書「人工知能は人間を超えるか」。人工知能とは何かというところから始まり、人工知能研究の歴史や機械学習・深層学習などに関する基本的な内容が、日本のディープラーニング研究を牽引してきた松尾先生の視点から綴られています。

対策2:G検定公式テキストで出題範囲を把握

G検定公式テキストは、JDLAが著述している公式テキスト。シラバスに沿って出題範囲の項目が解説されています。
それぞれの項目を簡潔に説明している分、浅い理解にとどまってしまうので、気になる項目はWEBで検索して理解を深めていくことをおすすめします。

本番の問題はシラバスをベースに作成されるものの、公式テキストに記載がないワードが出題される可能性があります。
G検定対策を公式テキスト1冊で乗り切るのは難しいので、このテキストを軸に自らの知識を増やしていくことが重要です。

対策3:問題演習

120分の試験時間中に200問程度が出題されるため、G検定は問題を解くスピードが非常に重要です。

下記に、問題演習ができる参考書やWEB問題をご紹介します。
公式テキストの内容に加えて、G検定に出題されやすい問題が多数収録されており、知識の補完に役立ちます。

最短突破ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)問題集 第2版
著者:株式会社AVILEN / 出版社:技術評論社 / 412ページ

徹底攻略ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集 第2版 
著者:スキルアップAI株式会社 / 出版社:インプレス / 288ページ

G検定スキルチェックテスト(無料)
提供会社:株式会社AVILEN / 20題

G検定模擬テスト(β版 / 無料)
提供会社:Study-AI / 300題以上

G検定 Web模試
提供:けいじ(Twitter:@keiji_dl

対策4:時事・法律問題対策

AI・ディープラーニングの技術革新のスピードはすさまじく、AI関連の活用例や法規制、社会問題の話題も次々と登場するため、これらの情報をキャッチアップしていく必要があります。

具体的には「個人情報保護」「プライバシー」「著作権」「自動運転技術」に関する問題、法規制や海外の政策例などが問われますので、あらかじめ最新情報をキャッチアップしておきましょう。

具体的な勉強方法を以下に記載します。

AI白書

AIに関する時事問題や政策、法規制を一気に抑えることができる書籍。分量が膨大であること、書籍の費用が他の書籍と比較して高いことがネックですが、これからAI関連の業務を担っていきたい場合には必携の1冊です。

②各省庁が発行している文書

日本のAI関連政策をキャチアップするなら、政府や各省庁が発行している文書の確認がおすすめ。公式テキストや問題集などで出てきた文書を、上記リンクから探して読んでおきましょう。
経済産業省が発行するAI関連の文書
総務省が発行する情報通信白書
内閣府が発行するAI関連の文書

JDLAが発行している文書

日本ディープラーニング協会や研究会が作成している文書はJDLAサイトの資料室というページにまとめられています。「生成AIの利用ガイドライン」や個人情報保護、AI開発の契約締結に関する各種ハンドブックが公開されていますので、「ディープラーニングの社会実装に向けて」分野の対策に最適です。

ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)法律・倫理テキスト

この本は、2023年4月28日に発売された比較的新しい参考書です。法律・倫理分野に対象を絞っており、演習問題はG検定の過去問が収録されているので、問題のイメージを掴みながら知識を深めるのに最適です。

AIを初めて学ぶ方には、これらの対策項目を網羅したオンライン対策講座で効率的に学習を進めることをおすすめします。
AVILENが提供している「全人類がわかるG検定対策講座」の詳細を確認したい方は、以下からご覧ください。
>>サービスサイトで詳細を確認する

G検定合格に向けたまとめ方のコツ

G検定は自宅受験で、試験中にブラウザや資料を検索できますが、120分の試験時間で200問程度を解くことを考えると、WEB検索を多用することはほぼ不可能です。少なくとも筆者は検索する時間はありませんでした。
特に、G検定は出題範囲が広いため、知識同士を紐づけて理解し、まとめておくことが必要です。

以下の図はマインドマップツールを使って、G検定頻出の機械学習の手法をまとめたものです。

まとめる過程で項目同士の結びつきを意識することができ、試験当日にこの分野の問題が出題された際に、ブラウザ検索ではなくこのマインドマップで検索できます。

マインドマップに限らず、スプレッドシートやノートなど、自分なりに知識を体系化して整理しておきましょう。
機械学習の手法をマインドマップでまとめた例

AI初学者が効率的に学習を進めるには

独学によるG検定勉強方法について解説しましたが、
学んだことのない分野を自力で理解し、体系化して整理するのは難しい感じるAI初学者の方も多いと思います。

そんなAI初学者の方には、効率的に学習を進める方法として、あらかじめ試験対策用に体系化して開発されている「オンライン対策講座」の受講がおすすめです。

株式会社AVILENでは、AI初学者がゼロかがG検定合格を目指せるオンライン対策講座「全人類がわかるG検定対策講座」を提供しています。

講座の特長は以下の通りです。
ポイント1:AIを直感的に理解できる講義・教材
経験豊富なAVILENのデータサイエンティストが、初学者にも分かりやすいように、講義資料・動画を設計しています。
上記で述べた「対策1:AIの概要を把握」、「対策2:G検定公式テキストで出題範囲を把握」を本講座1つで補うことが可能です。

ポイント2:380問以上のwebテスト
各分野の練習問題や模試など、計380問以上の問題を解くことができます。間違った問題をリスト化して重点的に復習することで、合格に向けて効率的に苦手分野を克服することができます。

ポイント3:講座の要点をまとめたまとめノート
講座の要点をまとめた資料がついてくるため、試験前の総復習や試験中の検索に役立ちます。

G検定合格に向けて最短距離で学習を進めたい方は、ぜひAVILENの「全人類がわかるG検定対策講座」をご検討ください。

まとめ

本記事では、G検定(ジェネラリスト検定)の勉強方法について解説してきました。
G検定は、AIの基礎知識を身に付け、今後、AI関連のサービス企画や販売に関わっていきたいビジネスパーソンにおすすめの資格です。

AI・ディープラーニングの理論を理解したAI人材を目指して、G検定を目指してみてはいかがでしょうか。

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