【AI変革事例_製造・卸売業界】帳票処理AIエージェント活用による書類のシステム登録自動化

仕入先・納品先との間で発生する膨大な書類のシステム登録業務を、最新のAIエージェント技術によって自動化したAI開発事例です。
フォーマットの相違や表記揺れが激しく、従来はダブルチェックを含む60名体制で対応していた複雑な事務工程を、AIによる内容の構造化と既存システムへの柔軟なデータ連携によって部分的に代替し、大幅なコスト削減と業務スピードの向上を実現しました 。
なお本事例は、【AI変革事例_製造業界】営業業務を効率化する見積書処理AIエージェントと非常に関連性が高いため、あわせてご確認ください。
監修者

株式会社AVILEN
執行役員 CTO 兼 D&Aソリューション事業担当 / データサイエンティスト
広島大学大学院卒業。コンピュータビジョン、機械学習、ディープラーニング領域を専門とするデータサイエンティスト。複数の国際学会へ査読付き論文の採択実績を持つ。2021年、AVILENに参画。AIソリューション事業の最年少マネージャーとしてIPOをはじめとする事業拡大、SaaS事業の立ち上げからグロースを牽引。データ・AI・デジタルを軸としたビジネスモデルの再構築とビジネスプロセスの根本的な変革を、広範な業界の企業に対して支援を行う。
課題
建築業界の代理店として膨大な受注・発注処理を担う中で、仕入先や納品先との間で発生する大量の書類が、紙またはPDFで管理されていました。
フォーマットの違いや表記揺れ等があり、書類の内容をシステムに登録する作業は非常に複雑なものとなっていたのです。
エラーが許されない作業のため、ダブルチェック人員を含めた60名体制で業務を行っており、多大なコストと時間がかかっていました。
ソリューション
事務手続きの抜本的な効率化を目指し、AIエージェントを活用した柔軟な登録自動化ソリューションを構築しました。
- 書類内容の構造化とエクセル出力
- 書類の記載内容を正確に読み取り、「日時」「取引先名」「金額」等の項目に従って構造化し、エクセルとして出力します。
- 書類の記載内容を正確に読み取り、「日時」「取引先名」「金額」等の項目に従って構造化し、エクセルとして出力します。
- 既存システムへの柔軟な対応
- クライアントが使用している既存の登録先システムの仕様に沿った出力へと柔軟に対応させました。
- クライアントが使用している既存の登録先システムの仕様に沿った出力へと柔軟に対応させました。
- 実運用を通じた継続的な性能改善
- 業務環境で利用可能な簡易システムをクイックに構築。実際に利用いただくことで継続的に性能を改善しています。
- 業務環境で利用可能な簡易システムをクイックに構築。実際に利用いただくことで継続的に性能を改善しています。
- 複数種類の書類への展開
- 同ソリューションを複数種類の書類へ展開予定です。
まずは入り口となる書類登録をAI化することで、その後の発注・受注・荷受けといった一連の処理を電子的に完結させる土台を築きました。
成果
本施策は、これまで膨大な人的リソースを割いていた事務工程に劇的な変化をもたらしました。
- 60名分の作業を部分的に代替
- 60名体制で実施していた大規模な登録・チェック業務を、AIエージェントによる自動化で部分的に代替することに成功しました。
- 60名体制で実施していた大規模な登録・チェック業務を、AIエージェントによる自動化で部分的に代替することに成功しました。
- 多種多様な帳票への横展開
- 1つのソリューションをベースに、今後は10種類程度の異なる書類へと展開していく予定です。
人手に頼り切っていた事務手続きがデジタル化・自動化されたことで、コスト削減のみならず、ミスが許されない現場の心理的負担軽減や、業務スピードの加速という組織的なメリットを生んでいます。
まとめ・考察
本事例の特徴は、単一のフォーマットを読み取るOCRの枠を超え、表記揺れや多様な形式に対応できる「AIエージェント」を軸に据えた点にあります。
属人化した複雑な判断をAIが代替することで、事業成長の足枷となっていた「膨大な事務工数」というボトルネックを見事に解消しました。
また、単なるツールの導入ではなく、アナログな商習慣が残る代理店業務のプロセスそのものを「データ主導」へと作り変えた点にも大きな意義があります。
紙の情報をデジタル化してシステムへ繋ぐ「入り口」を自動化したことは、AI変革への大きな一歩です。
今後は、この自動化の範囲を受注・発注・荷受け処理全般へと広げていくことで、サプライチェーン全体のデジタル化を牽引するモデルケースとなるでしょう。
事務処理に追われていた人材を、より付加価値の高い顧客対応や戦略的な商品選定へとシフトさせることで、企業の競争力はさらに強固なものへとなっていくはずです。
AVILENが考えるAI変革とは
AVILENでは、AI変革を単発のAI導入や受託開発の積み上げではなく、企業の業務・意思決定・組織を段階的に変えていくプロセスと捉えています。
そのため、AI活用はいきなり大規模に進めるのではなく、段階を踏んで進めることが重要だと考えています。
AI導入は「5つのステップ」で進める
AVILENでは、AI変革を以下の5ステップで整理しています。
- リテラシーをつける
データ・AIの基本理解を揃え、技術の可能性と限界を正しく認識する - ビジョンを描く
AIを使って、どこで競争優位を作るのかを明確にする - Quick Winを実現する
短期間で成果が見えるテーマに絞り、成功体験をつくる - 体制を構築する
人材・組織・データ・システムを含めた推進体制を整える - 活用範囲を拡大する
PDCAを回しながら、AI活用を組織全体へ広げていく
AI変革を支える3つの考え方
この5ステップを進めるうえで、AVILENが大切にしている考え方は次の3点です。
- コア部分から小さく始め、大きく広げる
- 試しながら学ぶ、アジャイルなPDCA
- 外部に頼りきらず、徐々に内製化していく

本事例の位置づけ
本記事で紹介する取り組みは、こうしたAI変革のプロセスの中で設計された一つの実践例です。
AVILENは、「AIを作る会社」ではなく、AIを使って企業の変革を前に進めるパートナーでありたいと考えています。
記事の筆者

株式会社AVILEN
マーケティングチームリーダー / マーケター
立命館大学文学部を卒業後、大手地方新聞社、ビジネス系出版社での編集、広告営業職を経てブレインパッドにマーケターとして参画。2020年にDX、データ活用をテーマにしたオウンドメディア『DOORS -BrainPad DX Media-』を編集長/PMとして立ち上げ、グロース。ブランディングとプロモーションを両立したコンテンツマーケティングで成果を上げ、2022年にグループマネジャーに昇進。2025年7月よりAVILENに参画。





