【AI変革事例_製造業界】帳票処理AIエージェント活用による製品図面の読み取り・見積業務の効率化

【AI変革事例_製造業界】帳票処理AIエージェント活用による製品図面の読み取り・見積業務の効率化

大手総合電機メーカーの図面解析と見積算出プロセスを、最新のAIエージェント技術で高度化したAI開発事例です。
非定型の図面から部品情報を正確に抽出する仕組みを開発し、熟練者の経験に依存していた見積工数を83%以上削減することに成功しました。

監修者

監修者

株式会社AVILEN
執行役員 CTO 兼 D&Aソリューション事業担当 / データサイエンティスト

広島大学大学院卒業。コンピュータビジョン、機械学習、ディープラーニング領域を専門とするデータサイエンティスト。複数の国際学会へ査読付き論文の採択実績を持つ。2021年、AVILENに参画。AIソリューション事業の最年少マネージャーとしてIPOをはじめとする事業拡大、SaaS事業の立ち上げからグロースを牽引。データ・AI・デジタルを軸としたビジネスモデルの再構築とビジネスプロセスの根本的な変革を、広範な業界の企業に対して支援を行う。

課題

本事例の企業では、見積業務において以下のような課題を抱えていました。

  • 顧客から送付される紙の図面をもとに、部品を目視で確認し、型番や個数を特定していた
  • 数万点の部品を扱う必要があり、見積作業に膨大な工数がかかっていた
  • 顧客ごとに図面レイアウトが異なり、対応の難易度にばらつきがあった
  • 特注品や加工品など、見落としがちな部品の発見や特別対応が求められていた


これらの業務は、経験や勘に依存する側面が大きく、特定のオペレーターに作業が集中する属人化した運用体制になっていました。
その結果、業務負荷の偏りや、体制としての持続性が課題となっていました。

ソリューション

こうした課題に対し、帳票処理AIエージェント『帳ラク』(※)を活用した業務改革を行いました。

  • 図面から型番や個数を自動抽出し、見積業務を効率化
  • オペレーターは確認作業のみを担当する役割分担へ移行
  • 顧客ごとに異なるレイアウトの図面でも、実用レベルで高精度な認識を実現
  • 特注品や加工品など、見落としがちな部品を能動的に報告
  • 最終的に適切なデータ形式へ変換するまでを自動対応


(※)帳票処理AIエージェント『帳ラク』の詳細はこちら

成果

本取り組みの結果、以下の成果が得られました。

  • オペレーターの作業工数を83%以上削減
  • 業務の属人化を解消
  • 手戻りや確認といった手戻り作業を削減


これにより、従来は人手による判断や確認が中心だった見積業務が、AIエージェントによる自動抽出・報告を起点としたプロセスへと転換されました。
特定の担当者に依存しない体制が整ったことで、誰が対応しても一定の品質で業務を進められるようになり、業務の安定性と再現性が大きく向上しています。

まとめ・考察

本事例の本質は、単なる図面読み取りAIの導入ではありません。
営業プロセス全体の自動化・高度化を見据えた取り組みの中で、まずはAI活用クイックウィンとして見積業務の自動化という具体的な成功事例をつくることにありました。

製造業の見積業務は、顧客ごとに異なる図面レイアウトへの対応や、特注品・加工品の判断など、属人的な判断が入りやすい領域です。
本取り組みでは、帳票処理AIエージェントを業務の中心に据え、図面から型番や数量を自動抽出し、確認作業のみを人が担う役割分担へと再設計しました。

これにより、従来はオペレーターの経験に依存していた見積業務が、AIを起点とした再現性のあるプロセスへと転換されています。

また、この見積自動化は営業プロセスの中の一つのスコープに過ぎません。
まずはこの領域で成果を出すことで社内の信頼を獲得し、他の帳票業務や営業プロセスの自動化へと展開していくことが期待され、営業プロセス全体の最適化に向けた取り組みの出発点となる事例です。

AVILENが考えるAI変革とは

AVILENでは、AI変革を単発のAI導入や受託開発の積み上げではなく、企業の業務・意思決定・組織を段階的に変えていくプロセスと捉えています。
そのため、AI活用はいきなり大規模に進めるのではなく、段階を踏んで進めることが重要だと考えています。

AI導入は「5つのステップ」で進める

AVILENでは、AI変革を以下の5ステップで整理しています。

  1. リテラシーをつける
    データ・AIの基本理解を揃え、技術の可能性と限界を正しく認識する

  2. ビジョンを描く
    AIを使って、どこで競争優位を作るのかを明確にする

  3. Quick Winを実現する
    短期間で成果が見えるテーマに絞り、成功体験をつくる

  4. 体制を構築する
    人材・組織・データ・システムを含めた推進体制を整える

  5. 活用範囲を拡大する
    PDCAを回しながら、AI活用を組織全体へ広げていく

AI変革を支える3つの考え方

この5ステップを進めるうえで、AVILENが大切にしている考え方は次の3点です。

  • コア部分から小さく始め、大きく広げる
  • 試しながら学ぶ、アジャイルなPDCA
  • 外部に頼りきらず、徐々に内製化していく
AIトランスフォーメーション(AIX)のポイントについて解説しています。

本事例の位置づけ

本記事で紹介する取り組みは、こうしたAI変革のプロセスの中で設計された一つの実践例です。
AVILENは、「AIを作る会社」ではなく、AIを使って企業の変革を前に進めるパートナーでありたいと考えています。

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AI変革で成果を出す企業は何を先に決めているのか?