【AI変革事例_IT業界】システム開発業務への生成AI適合プロセスを構築

システム開発業務に生成AIを適用するためのプロセスを構築したAI変革事例です。
開発工程を分解し、約20のユースケースを抽出。実現性と業務インパクトの観点で優先順位を整理し、検証フローまで設計しました。
その結果、現場が自律的にAI活用を進められる体制を構築し、実効性の高い導入ロードマップを確立しました。
監修者

株式会社AVILEN
執行役員 CTO 兼 D&Aソリューション事業担当 / データサイエンティスト
広島大学大学院卒業。コンピュータビジョン、機械学習、ディープラーニング領域を専門とするデータサイエンティスト。複数の国際学会へ査読付き論文の採択実績を持つ。2021年、AVILENに参画。AIソリューション事業の最年少マネージャーとしてIPOをはじめとする事業拡大、SaaS事業の立ち上げからグロースを牽引。データ・AI・デジタルを軸としたビジネスモデルの再構築とビジネスプロセスの根本的な変革を、広範な業界の企業に対して支援を行う。
課題
ある大手システム開発会社では、開発現場の業務効率化を目指して生成AIツールの導入を検討していました。
しかし、自社の具体的な開発業務において、どのようなツールをどう活用すれば最大限の効果が得られるのかが不明確という課題を抱えていました。
特に、技術的な観点からの「導入の可否」に加え、業務インパクトやROI(投資対効果)の観点からの「導入の妥当性」、さらにセキュリティリスクの評価やアウトプットの品質担保をいかに検証すべきか、その具体的な手法を模索している状況でした。
ソリューション
AVILENは、開発現場に深く入り込み、生成AI活用の具体化と検証を包括的に支援しました。
- 包括的なユースケースの特定
システム開発の各プロセスを細分化し、生成AIが貢献可能なポイントを網羅的に洗い出しました。 - 多角的な評価と優先順位付け
- 開発工程から約20項目のユースケースを洗い出し、「実現性」と「業務インパクト」の二軸で評価しました。
- 優れたツールをいち早く取り入れる「攻め」の視点に加え、セキュリティリスクの低減と品質担保の観点を評価基準に組み込み、迷いのない意思決定を支援しました。
- 実証に向けた伴走支援
優先度の高いケースに対し、具体的な検証方法や実施フローを策定しました。 - 技術アセットの提供
検証をスムーズに進めるため、即戦力となるサンプルプロンプトや実装コードの提供を行いました。
成果
この取り組みにより、生成AI活用のロードマップが明確になり、導入に向けた体制が整いました。
具体的には、開発プロセスの各所で活用可能な約20項目のユースケース案が特定され、それぞれの優先順位付けが完了しました。
さらに、優先度の高い項目については実際の検証までを終了し、社内において「いつでも導入可能」な状態を構築することに成功しています。
単なるツールの導入に留まらず、開発現場が自律的にAIを活用し、効果を検証し続けるための強固な基盤が完成しました。
まとめ・考察
本事例の特筆すべき点は、生成AIの導入を単なる「ツールありき」で進めるのではなく、現場のプロセスに即した「多角的な評価と優先順位付け」から着手した点にあります。
開発工程から約20項目のユースケースを洗い出し、「実現性」と「業務インパクト」の二軸で評価。
優れたツールをいち早く取り入れ先行利益を狙う「攻め」の視点と、セキュリティリスクの低減や品質担保といった「守り」の観点を評価基準に組み込みました。このバランスを最適化したプロセスを構築したことで、リスクを最小限に抑えつつ、有用なツールを迅速に現場へ届ける「迷いのないAI導入」を実現しています。
今後は、ここで確立された検証フローを基に、より高度な自動プログラミングやAIによる品質保証など、さらなる高度なユースケースへの展開が期待されます。
開発プロセスそのものがAIによって再定義され続ける、持続的な進化の起点となる取り組みといえるでしょう。
AVILENが考えるAI変革とは
AVILENでは、AI変革を単発のAI導入や受託開発の積み上げではなく、企業の業務・意思決定・組織を段階的に変えていくプロセスと捉えています。
そのため、AI活用はいきなり大規模に進めるのではなく、段階を踏んで進めることが重要だと考えています。
AI導入は「5つのステップ」で進める
AVILENでは、AI変革を以下の5ステップで整理しています。
- リテラシーをつける
データ・AIの基本理解を揃え、技術の可能性と限界を正しく認識する - ビジョンを描く
AIを使って、どこで競争優位を作るのかを明確にする - Quick Winを実現する
短期間で成果が見えるテーマに絞り、成功体験をつくる - 体制を構築する
人材・組織・データ・システムを含めた推進体制を整える - 活用範囲を拡大する
PDCAを回しながら、AI活用を組織全体へ広げていく
AI変革を支える3つの考え方
この5ステップを進めるうえで、AVILENが大切にしている考え方は次の3点です。
- コア部分から小さく始め、大きく広げる
- 試しながら学ぶ、アジャイルなPDCA
- 外部に頼りきらず、徐々に内製化していく

本事例の位置づけ
本記事で紹介する取り組みは、こうしたAI変革のプロセスの中で設計された一つの実践例です。
AVILENは、「AIを作る会社」ではなく、AIを使って企業の変革を前に進めるパートナーでありたいと考えています。
記事の筆者

株式会社AVILEN
マーケティングチームリーダー/シニアマーケター / マーケター
立命館大学文学部を卒業後、大手地方新聞社、ビジネス系出版社での編集、広告営業職を経てブレインパッドにマーケターとして参画。2020年にDX、データ活用をテーマにしたオウンドメディア『DOORS -BrainPad DX Media-』を編集長/PMとして立ち上げ、グロース。ブランディングとプロモーションを両立したコンテンツマーケティングで成果を上げ、2022年にグループマネジャーに昇進。2025年7月よりAVILENに参画。





