【AI変革事例_金融業界】高品質なAIオペレーター導入によるコールセンター応対の自動化

※本記事は、AVILENグループの株式会社LangCoreのソリューションの事例になります。
監修者

株式会社AVILEN
執行役員 CTO 兼 D&Aソリューション事業担当 / データサイエンティスト
広島大学大学院卒業。コンピュータビジョン、機械学習、ディープラーニング領域を専門とするデータサイエンティスト。複数の国際学会へ査読付き論文の採択実績を持つ。2021年、AVILENに参画。AIソリューション事業の最年少マネージャーとしてIPOをはじめとする事業拡大、SaaS事業の立ち上げからグロースを牽引。データ・AI・デジタルを軸としたビジネスモデルの再構築とビジネスプロセスの根本的な変革を、広範な業界の企業に対して支援を行う。
課題
当該企業のコールセンターでは、電話による問い合わせ対応をすべてオペレーター(人)が担っており、問い合わせ件数の増加に伴い業務負荷が年々高まっていました。
一方で、人員増加には限界があり、呼損率の上昇や待ち時間の長期化(最大30分)が発生。その結果、顧客満足度の低下が課題となっていました。
ソリューション
生成AIを活用したAIオペレーターを導入し、問い合わせ対応の自動化を実施しました。
単なる音声応答の自動化ではなく、実運用に耐える対話品質と業務接続を重視した設計を行っています。
- FAQなど、定型的な問い合わせをAIオペレーターが自動対応
- 外部システムと連携し、最新情報をリアルタイムに取得・回答
- LangCore独自開発のボイスボット技術を活用
- 音声認識・自然言語理解・対話制御・音声合成を一体で設計
- 文脈を保持した対話制御により、単発の応答ではなく会話として成立する応対を実現
- 実際のコールセンター業務を前提に、言い直しや確認、曖昧な表現にも対応可能な設計
これにより、従来は人が対応していた一次対応の多くをAIが担い、
オペレーター(人)は判断や個別対応が求められる問い合わせに集中できる体制を構築しました。
成果
取り組みにより、コールセンター業務において以下の成果が得られました。
AIオペレーターが、FAQといった定型的な問い合わせを担うことで、月間数千件の問い合わせ対応を自動化しました。
その結果、オペレーター(人)の対応時間は大幅に削減され、判断や個別対応が求められる問い合わせに、より多くの時間を割けるようになりました。
また、待ち時間の長期化(最大30分)が解消されたことで、顧客がストレスを感じる場面が減少し、顧客満足度の向上にもつながっています。
業務効率化と応対品質の両立を実現した点が、本事例の大きな成果と言えます。
まとめ・考察
本事例は、AIオペレーターを導入することで、コールセンター業務における問い合わせ対応を「人がすべて担う前提」から見直し、業務全体の構造を再設計した取り組みです。
重要なのは、本施策が単なる省人化やコスト削減を目的としたものではなく、AIと人の役割分担を明確にしたうえで、応対品質と業務効率の両立を実現している点にあります。
AIが定型的かつ即時性が求められる問い合わせを担い、人は判断や配慮、例外対応といった付加価値の高い業務に集中する。
この役割分担により、無理なく業務負荷を下げることができています。
加えて、本取り組みで構築したAIオペレーターの仕組みや、問い合わせ対応を通じて蓄積される対話ログ・業務データは、今後のデータ活用や業務改善に向けた基盤としても位置づけられます。
今後は、
- 他の問い合わせチャネル(チャット・Web)への横展開
- FAQや業務ルールの継続的な高度化
- カスタマーサポート領域全体への展開
- 蓄積されたデータを基にした製品・サービスの改善
といった形で、部分的な自動化に留まらない、全体的な業務変革へと発展させていくことも期待されます。
本事例は、AIを単発で導入するのではなく、データと業務をつなぎながら段階的に変革を進めていく、AI変革の実践例と言えるでしょう。
AVILENが考えるAI変革とは
AVILENでは、AI変革を単発のAI導入や受託開発の積み上げではなく、企業の業務・意思決定・組織を段階的に変えていくプロセスと捉えています。
そのため、AI活用はいきなり大規模に進めるのではなく、段階を踏んで進めることが重要だと考えています。
AI導入は「5つのステップ」で進める
AVILENでは、AI変革を以下の5ステップで整理しています。
- リテラシーをつける
データ・AIの基本理解を揃え、技術の可能性と限界を正しく認識する - ビジョンを描く
AIを使って、どこで競争優位を作るのかを明確にする - Quick Winを実現する
短期間で成果が見えるテーマに絞り、成功体験をつくる - 体制を構築する
人材・組織・データ・システムを含めた推進体制を整える - 活用範囲を拡大する
PDCAを回しながら、AI活用を組織全体へ広げていく
AI変革を支える3つの考え方
この5ステップを進めるうえで、AVILENが大切にしている考え方は次の3点です。
- コア部分から小さく始め、大きく広げる
- 試しながら学ぶ、アジャイルなPDCA
- 外部に頼りきらず、徐々に内製化していく

本事例の位置づけ
本記事で紹介する取り組みは、こうしたAI変革のプロセスの中で設計された一つの実践例です。
AVILENは、「AIを作る会社」ではなく、AIを使って企業の変革を前に進めるパートナーでありたいと考えています。
記事の筆者

株式会社AVILEN
マーケティングチームリーダー / マーケター
立命館大学文学部を卒業後、大手地方新聞社、ビジネス系出版社での編集、広告営業職を経てブレインパッドにマーケターとして参画。2020年にDX、データ活用をテーマにしたオウンドメディア『DOORS -BrainPad DX Media-』を編集長/PMとして立ち上げ、グロース。ブランディングとプロモーションを両立したコンテンツマーケティングで成果を上げ、2022年にグループマネジャーに昇進。2025年7月よりAVILENに参画。


