データサイエンティスト検定(DS検定)とは?難易度やメリットを紹介

データサイエンティスト検定(DS検定)とは?難易度やメリットを紹介

データを元にビジネスの意思決定をすることが当たり前になりつつある昨今、「データサイエンス」領域は、全てのビジネスパーソンが身に着けるべき素養です。この世の中の機運に応え、一般社団法人データサイエンティスト協会が2021年に開始したのが「データサイエンティスト検定™リテラシーレベル(DS検定™★)」です。

今回は、これからデータティストを目指したい皆様に向けて、DS検定の概要や取得するメリットについてご紹介します。

データサイエンティスト検定(DS検定)とは?

「データサイエンティスト検定™」は、一般社団法人データサイエンティスト協会がデータサイエンティストに求められるスキルや知識をまとめた「スキルチェックリスト・タスクリスト」(2021年度版はこちら)に定められている素養が身についているかを検定する目的で実施されている資格試験です。

データサイエンティスト協会の定義によると、データサイエンティストに求められるスキルは3つの領域に区分されます。

データサイエンス力
情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系知恵を理解し使う力
ビジネス力
課題背景を理解した上でビジネス課題を整理し解決する力
データエンジニアリング力
データサイエンスを意味のある形に使えるようにし実装・運用できるようにする力


データサイエンティストに求められるスキル

出展:データサイエンティスト協会HP

ここで注目すべきは、データサイエンティストに求められるスキルとして、「ビジネス」と「データエンジニアリング」の領域が定義されている点です。

さらに、下図のようにデータサイエンティストのスキルレベルを4段階に分け、このうち「アシスタント データサイエンティスト」のスキルレベルを検定する試験が「データサイエンティスト検定™リテラシーレベル(略称:DS検定™★)」です。

スキルレベル

目安

対応できる課題

シニア データサイエンティスト

業界を代表するレベル

・産業領域全体
・複合的な事業全体

フル データサイエンティスト

棟梁レベル

・対象組織全体

アソシエート データサイエンティスト

独り立ちレベル

・担当プロジェクト全体
・担当サービス全体

アシスタント データサイエンティスト

見習いレベル

・プロジェクトの担当テーマ

出展:データサイエンティスト協会HP

「DS検定™★」の試験対象であるアシスタント データサイエンティストには、具体的に以下のようなスキルが求められています。

ビジネス

  • ビジネスにおける論理とデータの重要性を理解したデータプロフェッショナルとして行動規範と判断が身についている
  • データドリブンな分析アプローチの基本が身についており、仮説や既知の問題が与えられた中で、必要なデータを入手し、分析、取りまとめることができる
  • 担当する検討領域についての基本的な課題の枠組みを理解できる

データサイエンス

  • 統計数理や線形代数、微分積分、集合理論の基礎知識を有している
  • データ分析の基礎知識を有している
  • 機械学習の基本的な概念を理解している
  • 適切な指示のもとに、データ加工と基礎的な分析を実施できる
  • データ可視化の基礎知識を有している

データエンジニアリング

  • データやデータベースに関する基礎知識を有している
  • 数十万件程度のデータ加工技術を有している
  • 適切な指示のもとに、以下を実施できる
    • データベースから条件を満たすデータを抽出できる
    • インポート、レコード挿入、エクスポート
    • システムや予測モデルのテスト実施
  • セキュリティの基礎知識を有している

出典:スキルチェックリスト ver.4

「スキルチェックリスト」には、レベルやカテゴリごとに更に細かく定義されているので、気になる方は確認してみてください。

DS検定を取得するメリット

データサイエンティストの入門資格である「DS検定™★」を取得するメリットは以下の2点です。


メリット1:データサイエンスのスキル証明

データ活用が当たり前になった昨今、仕事でもデータの収集や分析、データに基づいた判断を求められることが多くなってきたのではないでしょうか。DS検定に合格することで、自分がデータサイエンティストのリテラシーレベル相当のスキルを保有していることを客観的に証明できます。


メリット2:データサイエンティストに求められるスキルを体系的に学習

試験範囲に記載している通り、DS検定ではビジネス・データサイエンス・データエンジニアリングの3領域で、それぞれ必要なスキル項目を体系的に整理し、出題されます。


各領域に特化した資格(統計検定、Python3エンジニア認定データ分析試験など)や広範囲なIT知識を問う資格(ITパスポート、基本情報技術者試験など)とは異なり、データサイエンティストに求められるスキルを網羅的・体系的に問う資格は希少であるため、学習する価値があると考えます。

試験範囲

「DS検定™★」の試験は、以下の2つの要素を総合した範囲となっています。

  1. スキルチェックリストで定義されている項目のうち、「見習いレベル」相当のスキル
  2. 数理・データサイエンス教育教科拠点コンソーシアムが定める数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラム

試験方式

DS検定™★の試験開催の概要は以下の通りです。試験の申し込み方法に関する詳細は、データサイエンティスト協会のHPをご確認してください。

試験範囲

スキルチェックリストver4の3カテゴリ(データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力)の★1(見習いレベル)と数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)におけるモデルカリキュラムを総合した範囲

試験形式

CBT方式(全国の試験会場)

出題形式

肢択一式(90問 / 90分)

受験費用

一般:11,000円 / 学生:5,500円(いずれも税込価格)

開催スケジュール

公開されているDS検定開催スケジュールは以下の通りです。

第7回:未定

開催期間内から希望の日を選択、試験会場を予約して受験します。土日は試験会場の空きがないこともあるので、余裕をもって申し込みをしましょう。

※データサイエンティスト協会から、2023年度版「データサイエンティスト スキルチェックリストver.5」および「データサイエンス領域タスクリスト ver.4」が発表されています。新しいスキルチェックリストとタスクリストは、第7回以降のDS検定から適用される予定です。

合格ライン

データサイエンティスト協会が公開している過去の試験結果は以下の通りです。

合格率を見ると第2回は50%と第1回試験よりも合格難易度が上がっています。受験者数が第一回から2倍以上になっており、「受験者層にデータサイエンス初学者が増えたこと」、「始まったばかりの資格試験のため、まだ対策方法が確立されていないこと」などが要因と考えられます。

開催回

受験者数
(目安)

合格者数

合格率

合格ライン
(目安)

第1回(2021年9月実施)

1,400

927

約66.21%

約80%

第2回(2022年6月実施)

2,900

1,453

約50.10%

約80%

第3回(2022年11月実施)

2,600

1,088

約42%

約78%

第4回(2023年6月実施)

3,050

1,347

約44%

約79%

累計

9,950

4,815

出展:DS検定®★過去の実施結果

DS検定はこんな人におすすめ

DS検定™★は、以下のような方におすすめです。

データサイエンスを学び直したいビジネスパーソン

DS検定™★は、デジタルリテラシー協議会が定義する、全てのビジネスパーソンが持つべきデジタルリテラシー「De-Lite」のうち、主に「データサイエンス領域」を習得できる資格として、取得を推奨されています。ビジネスパーソンがデーサイエンス領域でリスキリングを目指す第一歩として最適な資格です。

データサイエンティストに興味のあるビジネスパーソンや学生

DS検定™★を学ぶことで、データサイエンティストとして働くにあたって必要とされる「ビジネス・データサイエンス・データエンジニアリング」のスキルの内容やレベルを知ることができます。

DS検定対策に役立つ勉強方法

DS検定の独学に役立つ書籍や対策講座をご紹介します。

参考書籍

最短突破データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)公式リファレンスブック 第2版

㈱AVILEN㈱ディジタルグロースアカデミア日本電気株式会社㈱ 日立アカデミー㈱Rejouiの、データサイエンス教育5社が集結し、共同開発した「DS検定™★」の受験対策用テキストです。
試験で問われる147個のスキル項目に対する解説と巻末の模擬問題を通して、DS検定で問われる知識を一通り学習できます。

徹底攻略データサイエンティスト検定問題集[リテラシーレベル]対応

スキルアップAI株式会社により著述された問題集です。スキルチェックリストver.4に対応しています。

対策講座

各事業者が用意している対策講座をご紹介します。本試験が、データサイエンス初学者やビジネスパーソンを対象としていることから、公式リファレンスブックだけではデータサイエンスやエンジニアリング領域の対策が不十分と考えられます。試験対策に不安を感じる場合は、受講の検討をお勧めします。

講座名

提供事業者

講座価格(税込・定価)

受講時間

講座形式

全人類がわかるDS検定対策講座

AVILEN

29,700円

約10時間

eラーニング

データサイエンティスト基礎講座

スキルアップNeXt

動画講義:無料
資料+摸試セット:8,800円

約10.5時間

eラーニング

データサイエンティスト検定™リテラシーレベル対策講座

ディジタルグロースアカデミア

9,900円

8時間45分

eラーニング

DS検定対策講座

GRI

32,780円

不明

eラーニング

ゼロから始めるデータサイエンス〜DS検定リテラシーレベル対応講座〜

CTCテクノロジー

108,900円

14時間

Live講義

AI・データサイエンス基礎

日立アカデミー

18,700円

6時間

eラーニング

データサイエンティスト協会が紹介する対策講座はこちら

全人類がわかるDS検定対策講座のご紹介

全人類がわかるDS検定対策講座とは、データサイエンス初心者向けに特化したオンライン対策講座です。
初学者から効率よくDS検定対策を進めたいお客様におすすめです。また、摸試が2回分ついてくるので、試験に向けた問題演習を十分に積むことができます。

特長1:数学・プログラミングを高校相当から学習
DS検定公式リファレンスブックは、高校~大学相当の数学知識が省略されており、初心者には難しい内容となっています。
本講座では、それらの前提知識に自信のない方のために、線形代数・オブジェクト指向など基礎から丁寧に解説します。

特長2:初学者にやさしいカリキュラム編成
DS協会スキルチェックリストは、そのままの順番で進めると学習しにくいという悩みがあります。
本講座では、順序を適切に並び替え知識を補完することで、効率よく学べるカリキュラムに再編成しました。

特長3:効率的なオンライン学習システム
インプット(講義視聴)とアウトプット(問題演習)を繰り返す設計となっています。
専用Eラーニングサイトから、いつでも・どこでも・自分のペースで学習を進められます。

全人類がわかるDS検定対策講座

全人類がわかるDS検定対策講座

無料ダウンロード

まとめ

DS検定を目指すメリットでも述べた通り、データサイエンスのスキルを学ぶにあたって、DS検定のように網羅的・体系的に学習でき、スキルを証明する資格は少ないです。
自身のデータサイエンススキルの証明やレベルアップのために、「DS検定™★」合格を目指して、学習を始めてみてはいかがでしょうか?