【AI変革事例_IT通信業界】デジタル人材の配置をAIで最適化し検討工数を75%削減

人材データを生成AIで構造化し、全社最適な案件アサインを実現したAI開発事例です。
分断されていたスキル情報を共通フォーマットに変換し、全社横断でマッチングできる基盤を構築。
AIが最適人材と配置根拠を提示することで、検討工数を75%削減し、属人的だった人材配置をデータドリブンな意思決定へと転換しました。
監修者

株式会社AVILEN
執行役員 CTO 兼 D&Aソリューション事業担当 / データサイエンティスト
広島大学大学院卒業。コンピュータビジョン、機械学習、ディープラーニング領域を専門とするデータサイエンティスト。複数の国際学会へ査読付き論文の採択実績を持つ。2021年、AVILENに参画。AIソリューション事業の最年少マネージャーとしてIPOをはじめとする事業拡大、SaaS事業の立ち上げからグロースを牽引。データ・AI・デジタルを軸としたビジネスモデルの再構築とビジネスプロセスの根本的な変革を、広範な業界の企業に対して支援を行う。
課題
本クライアント企業では、人材データは揃っていても、部署ごとに管理が分断されていたため、全社的な活用ができていませんでした。
本来なら全社から最適な人を選べるはずが、結局は各部署が自前で探す手間が発生しており、大きなロスが生じていました。
また、案件へのアサイン業務は担当者による属人的な検討や調整に強く依存しており、最適な人材を見極めるための検討工数が膨れ上がっていました。
ソリューション
各部署に埋もれていた人材情報を全社共通の資産へと変え、組織の壁を越えたマッチングを実現するため、以下の施策を講じました。
- 生成AIによる人材情報の共通言語化(構造化)
部署ごとに管理フォーマットや表現が異なっていた「職務履歴」や「習得スキル」などの定性的なテキストデータを生成AIで解析。
全社共通の「スキルタグ」や「習得レベル」へと変換・数値化することで、組織を問わず同一の基準で人材を比較できる土台を構築しました。 - 全社横断的なマッチングエンジンの実装
特定の組織に閉じない「全社データベース」を対象に、案件要件と人材スキルを高度に照合するAIエンジンを開発。
各部署が個別に人材を探すのではなく、全社の人材プールから客観的なスコアに基づいた最適候補を瞬時にリストアップする仕組みを実現しました。 - 配置根拠の自動出力機能
AIがマッチング結果とともに「なぜこの人物が適任なのか」という具体的な根拠を言語化して出力。
これにより、面識のない他部署の人材であっても、現場担当者が納得感を持ってアサインを検討できる環境を整えました。
成果
本システムの導入により、組織単位での限定的な判断から、全社視点での最適な人材配置が可能になりました。
主な成果は以下の通りです。
- 検討工数の劇的な削減
案件アサインに要していた検討工数を、従来比で75%削減できる見込みが立ちました。 - 人事配置の客観性と透明性の向上
「なぜその配置なのか」という根拠をデータで示せるようになり、主観や思い込みに依らない、機会の公平性が高いデータドリブンな人事配置へと転換しました。 - 組織パフォーマンスの持続的向上
最適配置の母集団が全社へ拡張されたことで、組織全体の生産性と成果創出力の向上が期待されています。
まとめ・考察
本事例の独自性は、単なるスキルのマッチングに留まらず、職務履歴などの定性的なテキストデータと、リーダーシップ等の定量的な数値を高い次元で統合し、AIが「説明可能な根拠」とともに提示する点にあります。
これにより、人事という極めて高度な判断が求められる領域において、AIが単なる補助ツールではなく、意思決定の質を担保する強固な基盤として機能していることが優れた特徴です。
本事例が「AI変革(AX)」と言える理由は、これまで各組織にサイロ化されていた人材情報を全社共通の資産へと構造的に変革した点にあります。
属人的な「組織単位の判断」という従来の業務プロセスを、AI主導の「全社最適な判断」へと再定義することで、人事配置の在り方そのものを根本からアップデートすることに成功しています。
今後の展望として、このマッチングシステムを人事異動やキャリア形成の支援など、より広範な領域へ展開することが期待されます。
AIが全社の「記憶」として最適な選択肢を提示する体制は、AIファーストな組織づくりの核心となります。
今後、配置後の成果データをAIが継続学習し、マッチング精度をさらに進化させることで、AXの加速と持続的な競争優位性の確立に大きく寄与していくはずです。
AVILENが考えるAI変革とは
AVILENでは、AI変革を単発のAI導入や受託開発の積み上げではなく、企業の業務・意思決定・組織を段階的に変えていくプロセスと捉えています。
そのため、AI活用はいきなり大規模に進めるのではなく、段階を踏んで進めることが重要だと考えています。
AI導入は「5つのステップ」で進める
AVILENでは、AI変革を以下の5ステップで整理しています。
- リテラシーをつける
データ・AIの基本理解を揃え、技術の可能性と限界を正しく認識する - ビジョンを描く
AIを使って、どこで競争優位を作るのかを明確にする - Quick Winを実現する
短期間で成果が見えるテーマに絞り、成功体験をつくる - 体制を構築する
人材・組織・データ・システムを含めた推進体制を整える - 活用範囲を拡大する
PDCAを回しながら、AI活用を組織全体へ広げていく
AI変革を支える3つの考え方
この5ステップを進めるうえで、AVILENが大切にしている考え方は次の3点です。
- コア部分から小さく始め、大きく広げる
- 試しながら学ぶ、アジャイルなPDCA
- 外部に頼りきらず、徐々に内製化していく

本事例の位置づけ
本記事で紹介する取り組みは、こうしたAI変革のプロセスの中で設計された一つの実践例です。
AVILENは、「AIを作る会社」ではなく、AIを使って企業の変革を前に進めるパートナーでありたいと考えています。
記事の筆者

株式会社AVILEN
マーケティングチームリーダー/シニアマーケター / マーケター
立命館大学文学部を卒業後、大手地方新聞社、ビジネス系出版社での編集、広告営業職を経てブレインパッドにマーケターとして参画。2020年にDX、データ活用をテーマにしたオウンドメディア『DOORS -BrainPad DX Media-』を編集長/PMとして立ち上げ、グロース。ブランディングとプロモーションを両立したコンテンツマーケティングで成果を上げ、2022年にグループマネジャーに昇進。2025年7月よりAVILENに参画。



