余因子・余因子行列の求め方を例題で解説

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余因子とは

余因子の定義は以下の通りです。

余因子の定義

正方行列AAに対して、Aの第ii行と第jj列を取り除いた行列をAijA_{ij}とすると、以下となる。

 a~=(1)i+jAij   \tilde{ a } = (-1)^{i+j}|A_{ij}|  

ことのきa~\tilde{ a }をAの (i,j)   (i,j)  余因子とよぶ。

余因子のイメージは以下の図のようになります。

余因子のイメージ

それでは、例題で余因子を求めてみましょう。

例題

行列A=(1234 567 89 )A =\begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 \\ 4 & 5 & 6 \\ 7 & 8 & 9  \end{pmatrix} のとき、 (2,2)   (2,2)  余因子と (2,3)   (2,3)  余因子を求めよ。

解答は以下の通りです。

(2,2)(2,2)余因子は行列AA の第2行と第2列を取り除くので、

a~22 = (1)2+21379 \tilde{ a }_{22}  =  (-1)^{2+2}\begin{vmatrix} 1 & 3 \\ 7 & 9   \end{vmatrix}

 =12  = -12

 

同様に (2,3)   (2,3)  余因子は、

a~23 =(1)2+31278  \tilde{ a }_{23}  = (-1)^{2+3}\begin{vmatrix} 1 & 2 \\ 7 & 8    \end{vmatrix}

 =6  =6

余因子行列とは

余因子行列の定義は以下の通りです。

余因子行列の定義

正方行列AA (i,j)   (i,j)  余因子をすべて求め、行列にした後、転置した行列が余因子行列である。

余因子行列のイメージは以下の図のようになります。

それでは、例題で余因子行列を求めてみましょう。

例題

A= (213122211)   A =  \begin{pmatrix} 2 & 1 & 3 \\ 1 & -2 &-2 \\ 2 & -1 & -1 \end{pmatrix}     のとき、余因子行列A~ \tilde{ A } を求めよ。

解答は以下の通りです。

上記を転置して、

 A~ =(048387303)  \tilde{ A } =\begin{pmatrix} 0 & -4 & 8 \\ -3 & -8 & 7 \\ 3 & 0& -3\end{pmatrix}   となります。

カテゴリ: 線形代数

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